10月の乗用車販売、2カ月ぶりの前年同月比2桁成長を記録

(インド)

ベンガルール発

2023年11月15日

インド自動車工業会(SIAM)は11月10日、10月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は前年同月比17.3%増の34万1,377台で(添付資料表1参照)、2カ月ぶりに2桁成長となった。UV、バンがそれぞれ40%超伸びたことが後押しした。表1の数字には含まれていないが、タタ・モータースの乗用車販売台数も加えると、10月単月の乗用車販売台数は38万9,714台に上る(注)。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比20.3%増の231万4,197台だった。

SIAMのビノド・アガルワル会長は、乗用車と二輪車、三輪車の全てが2桁成長し、乗用車と三輪車は10月として過去最高になったと説明。「政府の持続的な支援政策と祝祭期が追い風になっている。」とコメントした。

メーカー別乗用車販売の上位では(添付資料表2参照)、前月から起亜とトヨタ・キルロスカの順位が入れ替わった。首位のマルチ・スズキは16万8,047台で前年同月比19.7%増、韓国の現代は14.8%増の5万5,128台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは35.3%増の4万3,708台だった。トヨタ・キルロスカは前年同月比57%増の2万521台と大幅な伸びを見せたが、販売台数では4.4%増の起亜に届かなかった。統計に含まれていない地場のタタ・モータースは、電気自動車(EV)を含めて4万8,337台(前年同月比7%増)と発表しており、前月と同じ3位相当につけている。

車種別にみると、首位は引き続きスズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計8万662台)で、前年同月比9.5%増加した。同ミニモデル(「アルト」など計1万4,568台)は同41.6%減と落ち込みが続く。一方でUVの伸びが著しく、スズキのコンパクトUV(「ブレッツァ」など計2万9,259台)が前年同月比2.9倍で車種別2位につけた。現代のUV(「エクスター」など計2万851台)も同2倍と好調だ。

また、スズキのスポーツ用多目的車(SUV)は「グランドビターラ」など計2万5,043台で前年同月比35%増、同ミニバンタイプ「XL6」の4,367台は同75.8%増と伸びを見せている。

10月単月の二輪車販売は前年同月比20.1%増の189万5,799台だった(添付資料表1、表3参照)。主要部門のオートバイは前年同月比22.8%増の125万2,835台で、前年同月比2桁増に盛り返した。10月単月の三輪車販売は同42.1%増と引き続き大幅な伸びを見せた(添付資料表1参照)。

(注)タタ・モータースの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(岩井澪佳)

(インド)

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