燃料や石油製品の輸入許可取得手続きを変更、新たな許可証は12月19日までに取得を

(メキシコ)

メキシコ発

2023年11月16日

メキシコ経済省は11月6日、夕刻の官報で省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、輸出入に際してエネルギー省の規制を受ける品目を定める省令を改正した。本改正は、10月23日付官報で公布された石油製品の輸入一時停止を定める政令(2023年10月26日記事参照)を受けて、燃料や石油製品の新たな輸入許可取得プロセスを定めるもの。適用は11月7日からで、既に許可申請(注)は可能だが、輸出入通関時に本改正に基づく新たな許可証が要求されるのは、改正適用から30営業日後の12月19日以降となる。重要な改正点は次のとおり。

  1. スポーツイベント用や試験・研究用の製品の有効期限60日(延長なし)の輸入許可を新設(第3条、第29条BIS)
  2. 輸出入許可取得要件の厳格化(第39条、第40条、第41条、第42条)
  3. 輸入許可に記載された原産国・経由国と輸入申告上の原産国・経由国の一致、輸出許可に記載された輸出先と輸出申告上の輸出先の一致を義務付け、輸入額と輸入単価の違いは引き続き許容(第49条)
  4. 輸出入許可で認められた数量が不足することを理由とする更新の廃止(適用期限が切れるまで待つ必要あり、更新は適用期限の12営業日前までに申請、第50条)
  5. 許可更新の際の数量の変更禁止(第51条)
  6. 許可取り消し事由として、第65条Iで規定された月次報告を2カ月連続で怠った場合を追加(第59条IX)
  7. 許可取り消し事由として、3カ月連続で当初想定した輸出入量の60%を下回った場合を追加(第59条XI)
  8. 輸入許可対象品目の拡大(別添II)

輸入数量の厳格な管理が必要

8.については、従来のエネルギー省の輸入事前許可対象品目は、原油やガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、重油、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、液化石油ガスだった。今回の改正により、HS27類に分類されるその他の石油精製品(潤滑油なども含む)、HS29類に分類される石油を原料とする有機化学品やメタノールなどのアルコール類やエーテル類、HS38.26項に分類されるバイオディーゼルなども対象に加わった。対象品目は、10月23日付官報公布政令に基づく輸入一時停止対象品目にほぼ一致している。

今後の燃料や石油製品輸入で留意すべきは、数量の厳密な管理だ。許可申請時に設定した輸入数量の月間見通しの60%を3カ月連続で下回った場合、輸入許可が取り消される一方で、有効期間途中で許可数量枠が足りなくなってもその時点で更新はできず、有効期間が満了するのを待つ必要がある。許可申請時にビジネスの現状と見通しに即した現実的な数量を設定する必要があるだろう。

(注)申請はメキシコ貿易手続き単一電子窓口(VUCEM)を通じて行う必要があり、エネルギー省がウェブサイト上でマニュアルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開している。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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