香港、9月の小売売上高は前年同月比13.0%増

(香港)

香港発

2023年11月13日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は11月1日、2023年9月の小売売上高(速報値)を前年同月比13.0%増の317億6,100万香港ドル(約6,035億円、1香港ドル=約19円)と発表した(添付資料図参照)。10カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比22.0%増の34億8,800万香港ドルで、小売売上高全体の11.0%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは「衣類、靴および関連製品」で、前年同月比36.4%増の31億9,900万香港ドルとなった。「その他消費財」を除き、次に増加幅が大きかったのは、「宝飾、時計および高級贈答品」で27.3%増の43億1,000万香港ドルだった。また、前月では減少に転じていた「食品、酒類、たばこ」(注1)は再び増加を示し、16.5%増の35億9,900万香港ドルとなった。一方で、「燃料」は19.2%減の8億7,100万香港ドルと、6カ月連続でマイナスとなった。

業態別にみると、「百貨店」は前年同月比12.2%増の24億3,900万香港ドルに増加した。また、「スーパーマーケット」(注2)は、1.3%減の43億3,200万香港ドルだった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は9月の小売売上高について「来港観光客と個人消費のさらなる増加により、前年同月比では明らかに改善を続けている」と指摘した。今後の小売売上高の見通しについては、「インバウンド観光客数の回復により今後も引き続き増加するだろう。また、家計所得の増加や、『香港夜繽粉(ナイトバイブス香港)』(注3)を含む政府が推進するさまざまな支援策も消費者心理を下支えするだろう」と述べた。

香港小売業管理協会の執行総監の羅振邦(ボンド・ロー)氏は「香港の小売業者は、人流はかなり回復したものの、人流の増加に消費力が追い付いていないと感じている。香港在住者が(深セン市などに)北上して消費をする傾向は止まらないだろう」との見解を示した(「経済日報」11月2日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(注3)市民や観光客に夜の外出を促し、ナイトビジネスの経済活性化を目的として、香港政府が9月14日に公表したキャンペーン。9月からの中秋節と国慶節から2024年の年初まで香港全域で実施され、ビクトリア・ハーバーなどでさまざまなイベントが開催される。そのほか、域内のレストランやバーを対象としたプロモーション、映画館でのレイトショーの割引、美術館や博物館の開館時間の延長なども行われる。同キャンペーンについての詳細は、香港政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(横田覚)

(香港)

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