米国民の44%がイスラエルを同盟国とみなす、米世論調査

(米国)

調査部米州課

2023年11月10日

イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへの攻撃開始から、2023年11月上旬で1カ月が経過した。最近の米国の世論調査では、米国民の44%がイスラエルを同盟国とみなすことがわかった。

AP通信とシカゴ大学全米世論調査センター(NORC)は11月8日、イスラエルとハマスの衝突に関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、イスラエルとの関係性を、「米国と利益と価値観を共有する同盟国」とする割合が44%と、8月の調査時(32%)より上昇した。「米国が協力すべきパートナーだが、利益や価値を共有してない」が40%、「米国が競争すべきライバルだが、対立はしてない」が8%、「米国が対立する敵対者」が5%だった。今回の衝突の責任の所在について、それぞれの主体ごとにその大きさを問うた設問では、ハマスによる責任が大きいと回答した割合が最も高く86%だった(大きな責任がある66%、いくらか責任がある20%)。イラン政府は75%(33%、42%)、イスラエル政府は72%(35%、37%)、米国政府は46%(12%、34%)と続いた。

また、イスラエルによるガザ地区への軍事的対応が妥当かどうかとの問いに対しては、「行き過ぎ」とする回答が40%、「妥当」が38%、「十分でない」が18%だった。支持政党別では、民主党支持者の「行き過ぎ」とする割合が58%と共和党支持者(18%)を大きく上回った。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが11月に実施した世論調査(注2)によれば、イスラエルとハマスの衝突へのジョー・バイデン大統領の対応を「支持する」割合は32%と「支持しない」(45%)を下回った。米国のイスラエルへの軍事支援については、「軍事支援の増加」を支持する割合が24%、「軍事支援の削減」が23%、「同程度の軍事支援を維持」が28%と意見が分かれた。米国のパレスチナ人への人道支援についても、「人道支援の増加」が26%、「人道支援の削減」が21%、「同程度の人道支援を維持」が23%とこちらも意見が分かれた。

また、イスラエルとハマスの衝突と、ロシアのウクライナ侵攻のどちらの方が米国への脅威として大きいか、との質問に対しては、「イスラエルとハマスの衝突」と回答した割合が24%と「ロシアのウクライナ侵攻」(18%)を上回った。両方を同程度の脅威とみなす割合は34%だった。

(注1)実施時期は2023年11月2~6日。対象者は全米の成人1,239人。

(注2)実施時期は2023年11月5~7日。対象者は全米の成人1,500人。

(松岡智恵子)

(米国)

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