米エネルギー省、バッテリーの国内生産に35億ドルの助成金を発表

(米国)

ニューヨーク発

2023年11月20日

米国エネルギー省(DOE)は11月15日、インフラ投資雇用法(IIJA)の下で制定された「バッテリー材料の加工に対する助成」(IIJA第40207条〈b〉)と「バッテリー製造に対する助成」(IIJA第40207条〈c〉)の両プログラムに割り当てられた合計60億ドルの助成金のうち、第1ラウンドとなる35億ドル分に対する募集を開始すると発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。両助成金プログラムは2026年3月に第4ラウンドをもって終了する予定だ。

両プログラムは、国内でのバッテリーのサプライチェーン確立、製造能力の拡大、原材料の鉱物の処理能力の高度化、リチウム以外の鉱物を利用した次世代バッテリー技術に加え、低・中所得のコミュニティーの労働機会提供などを目的とする。プログラムを管轄する製造エネルギーサプライチェーン局(MESC)は、今回の募集の対象となるプロジェクトを次のとおりとしている。

「バッテリー材料の加工に対する助成」(合計15億ドル、いずれも商業規模での国内資源の活用が条件)

(1)国内で採取されたかん水からのリチウムの分離:7億ドル(最大7プロジェクトが対象)

(2)国内でのバッテリー材の重要鉱物(非リチウム)の回収:6億ドル(同7)

(3)バッテリー材料の前駆体の国内加工:2億ドル(同4)

「バッテリー製造に対する助成」(合計20億ドル、いずれも商業規模での国内製造が条件)。

(4)バッテリーの正極と負極:8億ドル(同8)

(5)電解質塩・電解質溶媒:6億ドル(同6)

(6)小規模および特殊市場向けセル:3億ドル(同3)

(7)非リチウムベースのバッテリーセルおよびシステム:1億ドル(同2)

(8)その他のバッテリーセルおよびシステムコンポーネント:2億ドル(同4)

今回の募集開始に際し、DOEのジェニファー・グランホルム長官は「先進的なバッテリーの需要拡大に応えるために米国を最前線かつ中心に置くことが、わが国の世界的な競争力を高め、高賃金の雇用を維持・創出し、クリーンエネルギー経済を強化する方法だ」と述べた。

応募者は2024年1月9日午後5時(米国東部時間)までに、政府ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(通達番号:DE-FOA-0003099)から、コンセプトペーパーを提出する。その後、最終申請書を2024年3月19日までに提出する。選考結果は2024年8月に発表予定。

(大原典子)

(米国)

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