デザイン見本市「マニラフェイム」、3年ぶりに開催

(フィリピン)

海外ビジネスサポートセンター ビジネス展開課

2023年11月09日

フィリピン国際貿易センター(CITEM)は1019日から21日にかけて、家庭用品やファッション、ライフスタイル製品の見本市「マニラフェイム」をマニラ首都圏パサイ市内で開催した。2019年以来3年ぶりとなった。同見本市はアジアで2番目に長い歴史をもつイベントで、1983年に始まり、今回で71回目。フィリピン国内最大級のデザイン見本市として高級感ある製品が集まることでも知られており、今回の出展社数は250社(いずれもフィリピン企業)、34カ国から1,486人のバイヤーを含む4,044人が来場した。

同見本市は「FEEL WHAT’S POSSIBLE」をテーマとした。カスタマイズという意味のタガログ語「Pasadya」で表され、顧客と対話を重ねて希望どおりに製品を改良するというコンセプトを掲げた。CITEMと地元企業が1年間共同で開発した製品のほか、実用性とデザイン性を両立し、自然との共生をテーマにしたバッグや靴、インテリア用品など、現代のニーズを捉えた製品を多く展示した。

写真 見本市の様子(CITEM提供)

見本市の様子(CITEM提供)

CITEMのコミュニケーションコンテンツ部門長エルマー・ハロルド・グランデ氏は、ジェトロが同展示会に合わせて実施したインタビューに対し、「フィリピンのデザイン関連産業市場はスペインや米国、日本の影響を受けている」と述べ、欧米や日本に通じる感性を持つことを指摘した。また、マニラフェイムについては「シンプルでモダンなデザインといった日本との親和性が高い製品が数多くある」と述べ、「日本市場の商品の魅力向上のヒントを日本関係者から得たい」として、展示会を通じたより多くの日本企業とフィリピン企業の連携の可能性に期待をにじませた。

写真 会場内のインテリア展示(CITEM提供)

会場内のインテリア展示(CITEM提供)

環境配慮をテーマにした地元素材製品も展示

デザイン性の高いフィリピン製品が多く並ぶ一方、天然素材やリサイクル素材を用いた環境に配慮した製品も展示された。中でも注目を浴びたのが「ココナッツパビリオン」だ。世界的なトレンドを踏まえ、持続可能な製品づくりを目的とする同パビリオンには、フィリピン企業25社が出展した。ココナッツの殻や葉といったさまざまな部位を活用した工芸品やバッグ、靴などが展示された。

(竹内アイシェギュル)

(フィリピン)

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