1~9月の輸出入は低迷も、9月単月は前年同月比で11カ月ぶりの増加

(ベトナム)

ハノイ発

2023年11月07日

ベトナム税関総局によると、2023年1~9月の輸出は2,589億7,003万ドル(前年同期比8.5%減)、輸入は2,373億2,715万ドル(14.0%減)だった。貿易収支は216億4,288万ドルの黒字となった。国外市場の低迷などによって輸出入ともに前年同期を下回っているが、9月単月でみると、2022年10月以来11カ月ぶりに、前年同月比でプラスとなった(添付資料図参照)。

2023年1~9月の貿易を主要国・地域別にみると、輸出は1位の米国が702億3,429万ドル(前年同期比17.6%減)だった(添付資料表1参照)。特に米国向け品目別輸出額1位の機械設備・同部品、4位の電話機・同部品の落ち込みが大きかった。一方で、2位の中国は428億6,048万ドル(3.6%増)だった。ゼロコロナ政策の影響で輸出が伸び悩んだ2022年と比べ、需要の回復がみられる。

輸入は、1位の中国が791億7,896万ドル(前年同期比13.5%減)、2位の韓国が382億2,592万ドル(20.7%減)、3位の日本が157億1,370万ドル(12.0%減)で、上位国からの輸入が軒並み減少となった(添付資料表2参照)。特に、韓国からの品目別輸入額2位の電話機・同部品が前年同期比95%減と大幅に落ち込んだ。ベトナムを主な製造・輸出拠点としているサムスンがスマートフォンの生産台数を落としており、関連の部品輸入が減少したものとみられる。

対世界輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は電話機・同部品、3位は機械設備・同部品だった(添付資料表3参照)。上位10品目中、6位の輸送機器・同部品と10位のビデオカメラ・同部品の2品目のみ輸出金額が前年同期比で増加した。1位のコンピュータ電子製品・同部品は比較的小幅な減少(前年同期比1.1%減)にとどまった。同品目は6月以降、毎月、輸出額が50億ドルを超えており、増加基調にある。

輸入は、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が織布・生地だった。上位10品目すべてにおいて前年同期比減となるものの、コンピュータ電子製品・同部品は前年同期とほぼ同じ金額に回復してきた(添付資料表4参照)。

(山梨彰彦)

(ベトナム)

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