上海市、外国人の消費環境整備を含む消費促進措置を発表

(中国)

上海発

2023年11月02日

中国の上海市商務委員会は10月20日、上海市国際消費センター都市建設領導小組(注)によって策定された「上海市の消費市場の革新と消費拡大に向けた若干措置」を公開した。

本措置では、外国人が消費しやすい環境をつくるための改善策が含まれた。商業施設、観光地、空港、駅といった外国人の消費が多く想定される場所において、海外のクレジットカードで決済が可能なPOSレジを増やすほか、市内に設置されているATMのうち、海外クレジットカードから人民元を引き出せるATMを9割以上に引き上げる。また、空港に中国における電子決済の相談窓口を設置し、入国者に対して海外で発行したクレジットカードと中国のモバイル電子決済アプリとのひもづけに関する照会に対応する。さらに、空港や駅、観光スポットなどのサービスカウンターや広告を活用し、多様な決済方法があることを宣伝する予定だ。

中国では、モバイル電子決済の浸透により、急速にキャッシュレス化が進んでいる。現金やクレジットカードが使用しづらい中、外国人も消費しやすい環境を整える。

本措置では、外国人向けの決済環境整備のほか、消費促進を図るための計12項目の施策が盛り込まれた。本措置によると、上海市は商務委員会が主体となって、市内における国内外のミドル・ハイエンドのブランドショップの1号店の出店や、新商品のリリースを奨励する。さらに、上海市文化旅行局や体育局を中心に、「上海観光祭」「上海国際マラソン大会」などのイベントの開催に注力する。

(注)中国商務部は2021年、北京、上海、広州、天津、重慶の5都市を「国際消費センター都市」に建設すると発表した。上海市国際消費センター都市建設領導小組は、上海市を「国際消費センター都市」に発展させるための組織。

(龐婷婷)

(中国)

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