総統選挙の候補者出そろう、野党連合はならず

(台湾)

調査部中国北アジア課

2023年11月28日

2024年1月13日に行われる台湾総統選挙の立候補受け付けが11月24日に締め切られ、与党の民主進歩党、国民党、台湾民衆党の3党の候補者で争われることが決まった。国民党と民衆党は支持率が伸び悩んでいたことから、一度は野党連合に合意したが、総統と副総統候補の一本化の調整がつかず、連合は破談となった(「経済日報」11月26日)。無所属で立候補を表明していた、電子機器受託生産(EMS)で世界最大規模の企業グループのフォックスコン(鴻海精密工業)創業者の郭台銘氏は立候補登録を見送った。郭氏の支持率は一貫して主要候補者の中で最下位となっていた。

11月21日〜23日に美麗島電子報が行った世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、各候補の支持率は、民進党・頼清徳氏が31.4%、国民党・侯友宜氏が31.1%、民衆党・柯文哲氏が25.2%となっており、首位の民進党と2位の国民党の差はわずか0.3ポイントだった。

各党の候補者の略歴は次のとおり。

〇民主進歩党候補者

  • 総統候補・頼清徳氏:1959年新北市生まれ。ハーバード公共衛生大学院修士。2010年~2017年台南市長、2017年~2019年行政院長を務め、2020年~現在まで副総統。
  • 副総統候補・蕭美琴氏:1971年日本の神戸市生まれ、台南市育ち。コロンビア大学政治学修士。2002年に立法委員に初当選後、2020年まで4期務め、2020年から駐米国台北経済文化代表処代表。

〇国民党候補者

  • 総統候補・侯友宜氏:1957年嘉義県生まれ。中央警察大学犯罪防止研究所博士。桃園県警察局長、内政部警政署長、中央警察大学校長、新北市副市長を経て、2018年から新北市長。
  • 副総統候補・趙少康氏:1950年基隆市生まれ。米国クレムソン大学機械工程修士。立法委員、行政院環境保護署署長などを務めた後、メディア業に進出。キャスターとして各テレビ局に出演、2006年には中国国民党の放送局だった中国廣播の株式を買収し、董事長を務める。

〇台湾民衆党候補者

  • 総統候補・柯文哲氏:1959年新竹市生まれ。台湾大学臨床医学研究所医学博士。台湾大学医学院教授を経て、2014年〜2022年台北市長、2019年に台湾民衆党を立ち上げ、現在まで党主席。
  • 副総統候補・呉欣盈氏:1978年米国生まれ。英国ロンドン大学コートルード芸術学院修士、米国ウェルズリー大学国際関係、美術史修士。2020年〜立法委員。

(江田真由美)

(台湾)

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