ドバイ政府、世界のゲーム産業集積地を目指す新プログラムを発表

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年11月06日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府は11月2日、ドバイを世界のゲーム産業のトップ10都市に成長させることを目標に「Dubai Program for Gaming 2033」を公表した〔11月2日付エミレーツ国営通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。このプログラムでは、3万人の新規雇用を創出し、2033年までにドバイ首長国のGDPを約10億ドル増加させることも目標に掲げた。

同プログラムは、ドバイ未来財団(DFF)が制定した。ゲーム開発に関連したインキュベーション環境を整備し、世界中から、特にデジタルコンテンツを専門とするテクノロジー企業を誘致することを目標とし、同時にゲーム開発者、デザイナー、プログラマーだけでなく、クリエーティブ産業の起業家やスタートアップにも支援を提供するとしている。

各支援メニューは今後公表される予定だが、特に人材育成に重点が置かれている。具体的には、海外の著名なゲーム企業や学術機関と提携し、デジタルコンテンツのクリエーターをドバイに集め、トレーニングや雇用機会を提供するプラットフォームを創設する。また、起業家やイノベーターを支援し、ゲーム制作や流通に必要な専門教育プログラムを提供するとしている。

同時にドバイ政府は、「ドバイ・メタバース戦略」の一環として、「メタバース・アライアンス」「メタバース・ガイドライン」「メタバース・パイオニア」の立ち上げも公表した。ドバイが今後、メタバース開発を世界的にリードし、メタバース・コミュニティーの世界的ハブとしてのドバイの地位を確固たるものにすることを目的として制定された。「メタバース・アライアンス」は、メタバースを専門とする政府機関、世界的テクノロジー企業、スタートアップを含む世界的なネットワークを指す。このアライアンスを通じて、メタバースを取り入れた世界的および国家的なプロジェクトのコラボレーションやパートナーシップを促進する。「メタバース・ガイドライン」は、ドバイ政府が最もインパクトのあるメタバース・アプリケーションを選定し、メタバースの最適な利用法を規定する枠組みを提供する。「メタバース・パイオニア」は、ドバイ政府職員がメタバース技術を業務利用するために不可欠なスキルとツールを身につけることを目的とした育成プログラムとなる。

(吉村優美子)

(アラブ首長国連邦)

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