越後製菓、新パッケージの米菓を米国テキサス州で発売

(米国)

ヒューストン発

2023年11月02日

越後製菓(本社:新潟県長岡市)は10月26日、米国テキサス州の高級グルメ食品店セントラルマーケット(本部:ダラス)で米菓モチパフの発売を開始した。セントラルマーケットはテキサス州内のダラス、ヒューストン、オースティン、サンアントニオに合計10店舗を構えている。セントラルマーケットの運営会社はテキサス州地場大手スーパーマーケットのエイチ・イー・ビー(H-E-B、本社:サンアントニオ、注)。

モチパフは日本の商品名「ふんわり名人」で、2019年から米国市場で販売済みだが、セントラルマーケットのバイヤーと協働して新パッケージを開発し、商品名を新たにモチパフとした。

ジェトロは2021年7月、セントラルマーケットの本部に「ふんわり名人」を持ち込み、試食した食品調達担当者のエリック・ビールスキー氏が取り扱いに関心を示した。ただし、米国市場で浸透させる上で、消費者がすぐに手に取りたくなるようなパッケージにデザインを変更する必要があるという同氏のアドバイスを踏まえて、パッケージは日本的なデザインから、セントラルマーケットの顧客に受けそうなポップなイメージとし、また高級感を出すためマットな(光沢を消した)質感に変更した。

2022年10月には越後製菓の星野一郎会長がダラスのセントラルマーケットを訪問し、2023年1月にはビールスキー氏がジェトロの招聘(しょうへい)事業で越後製菓を訪問するなど、相互の対面訪問も重ね、信頼関係を醸成してきた。

商品の紹介から新パッケージ開発まで2年以上と長い時間を要したが、ビールスキー氏は「互いに意見を交わし、セントラルマーケットの顧客に最善のデザインを一から作り上げたプロセス自体が革新的だった」と振り返る。

写真 右からセントラルマーケットのビールスキー氏、越後製菓の星野会長、セントラルマーケット売り場担当者(ジェトロ撮影)

右からセントラルマーケットのビールスキー氏、越後製菓の星野会長、セントラルマーケット売り場担当者(ジェトロ撮影)

セントラルマーケットは、テキサス州内ではモチパフを同社限定販売とするよう越後製菓に求めたが、他州では新パッケージでの販売を認めている。「ふんわり名人」の2022年度(4~3月)の対米工場出荷額は3,500万円で、2023年度は既に2022年度を超えており、当面、年間3億円に伸ばすことを目指している。越後製菓はテキサス州発のパッケージで、全米での売り上げ拡大を目指す。

(注)年商380億ドル以上、従業員数15万4,000人以上、テキサス州とメキシコで430店舗を展開している。

(桜内政大)

(米国)

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