デジタルマネー給付、2024年5月に実施予定

(タイ)

バンコク発

2023年11月29日

タイのセター・タビシン首相は11月10日、デジタルウォレット政策による1万バーツ(約4万2,000円、1バーツ=約4.2円)支給制度の詳細を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政府が市場に資金を投入することで国内経済を活性化させることを目的としていると述べた。

発表によると、16歳以上のタイ国民で、月収が7万バーツ未満かつ銀行預金が50万バーツを超えない場合、同政策の下でデジタルマネーを1万バーツ受け取ることができる。デジタルマネーは「パオタン」というアプリを通じて配布する。透明性を確保し、不正を防止するためにブロックチェーン技術も活用する。配布されたデジタルマネーは6カ月間有効で、IDカードの住所に登録された郡(Ampuhr:タイの行政単位)の域内でのみ使用できる。2024年5月に配布が開始される予定だ。

消費者は支給されたデジタルマネーを消費財の購入にのみ使用できる。ただし、オンラインの販売商品や、たばこ、アルコール飲料、大麻、金、ダイヤモンド、宝石、石油、ガスの購入には使用できない。借金の返済や公共料金、教育費の支払いにも使用できない。

デジタルマネーはパオタンを通じて、付加価値税(VAT)登録の有無にかかわらず、全ての商店で使用できる。一方、店舗側がデジタルマネーを使用するに当たって事前登録が必要だ。また、デジタルマネーでの収益を現金に交換できるのはVAT登録している店舗のみ。

なお、政府はデジタルウォレット政策のほかに、電子請求書を発行する企業から合計5万バーツまでの商品やサービスを購入した場合、個人所得税が控除されるE-Refundスキームも提案している。同スキームを通じてオンライン消費を刺激したい考えだ。同スキームは2024年1月に開始される予定だ。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

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