全米自動車労働組合(UAW)、デトロイト3との労使契約の批准を正式発表

(米国)

シカゴ発

2023年11月21日

全米自動車労働組合(UAW)は11月20日、デトロイト3〔ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ステランティス〕との暫定合意内容を承認し、労働協約を批准したと正式に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。各社のUAW組合員である従業員投票の結果は、添付資料表を参照。

フォードとステランティスでは大多数の賛成によって協約が批准されたが、GMでは2社に比べ時給従業員の賛成票の比率が低かった。GMとの協約では、部品工場、部品配送センター、バッテリー工場など、今回の協約により最大の昇給を得る従業員の賛成票が、既に最高の賃金を得ている組立工場の従業員からの反対票を上回った。また、雇用期間の短い従業員は今回の協約によって大きな恩恵を受けるが、雇用期間の長い定年間近の従業員は退職金などの手当が十分でないことを懸念しており、今回の協約に不満ありと考えられるとのことだ(オートモーティブニュース11月17日)。

今回の労使協約には、ストライキの焦点となった賃金をインフレ率と連動させる生活費調整(COLA)の採用、退職者への年次ボーナス支給、従業員を二分する給与体系の撤廃など、2000年代末の大不況時に企業によって廃止された主要条項が含まれたほか、全組合員の大幅賃上げ、各社数百億ドル規模の製品・投資の約束が含まれている。また、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行期間の雇用に関しては、UAWは全国協約の下でEV・EV搭載用バッテリー製造関連の雇用をもたらすコミットメントをデトロイト3から勝ち取った。

今回の労使交渉に関し、UAWのショーン・フェイン会長は声明で「何週間にもわたるピケを行った結果、私たちは米国の自動車産業労働者のために流れを変えた」と述べ、さらに「UAWは新しい基準を打ち立てた。今、われわれはストライキの力と闘志を、他の産業や、より良い生活のために闘う準備ができている何百万人もの非組合員労働者に向けて投入する」と組合活動のさらなる展開を示唆した。

(星野香織)

(米国)

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