米デュークエナジー、グリーン水素の製造・貯蔵・利用システムの建設計画を発表

(米国)

アトランタ発

2023年11月07日

米国の大手電力会社のデュークエナジーは10月27日、フロリダ州でグリーン水素を製造・貯蔵し、水素だけでもタービンで燃焼できる全米初のエンドツーエンドシステムを使ったプロジェクトの建設計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

この新システムは、デュークエナジー、建設管理・コンサルティング会社のサージェント・アンド・ランディ、ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEベルノバの共同プロジェクトで、フロリダ州ボルーシャ郡にあるデュークエナジー・フロリダのデバリー発電所に設置される予定だ。同発電所の太陽光発電で生み出されたクリーンエネルギーを活用して、1メガワット(MW)の電解槽2基で水を電気分解し、生産されたグリーン水素を強化コンテナで貯蔵する。エネルギー需要が最も高い時間帯には、貯蔵されたグリーン水素をGEベルノバの技術を使ってアップグレードされた燃焼タービン(CT)に送り、天然ガスと水素の混合ガス、または水素だけでCTを稼働させる。同社によると、水素の混合割合がこれほど高い燃料で稼働するCTは米国内で初めてだという。

デュークエナジー・フロリダのメリッサ・シーカス社長は「デバリー発電所は、既存の太陽光発電施設を活用して、デュークエナジーで初めてのグリーン水素製造および貯蔵の拠点となる。この革新的なシステムを受け入れてくれた地元コミュニティーに感謝する」と述べた。また、デュークエナジーの発電・送電戦略担当のレジス・レプコ上級副社長は「水素は長期貯蔵可能なクリーンエネルギーであり、デュークエナジーが再生可能エネルギーを増やす際に、送電網の信頼性を確保するのに役立つ」と述べた。

本プロジェクトの建設は2023年後半に開始され、完成までに約1年かかる予定だ。同社は、2024年にシステムが設置され、完全に稼働すると見込んでいる。

(吉田祥子)

(米国)

ビジネス短信 6a4eb13cb4f99493