第3四半期のGDP成長率は前年同期比4.94%、2年ぶりに5%を下回る

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年11月21日

インドネシア中央統計庁(BPS)は11月6日、2023年第3四半期(7~9月)のGDP成長率を前年同期比4.94%と発表した。5%を下回ったのは2021年第3四半期(7~9月)ぶり8四半期ぶり(添付資料図参照)。インドネシア中央銀行(BI)は2023年通年の経済成長率について、今後、内需、民間・政府消費、投資によって支えられ、4.5~5.3%程度になると予測している。

内訳をみると、支出別で5割超を占める家計最終消費支出が前年同期比5.06%増だったほか、投資などを示す総固定資本形成は5.77%増となった。BIは総固定資本形成の伸びについて、東カリマンタン州の新首都ヌサンタラでのインフラ開発プロジェクトなど、インドネシア政府がインドネシア各地域でインフラ開発を継続していることが影響しているとした(BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。一方、これまで成長を支えていた輸出入は第2四半期に続いていずれも減少し、輸出は4.26%減、輸入は6.18%減とマイナスだった。

業種別では、主要17業種のうち15業種が前年同期比プラスとなった。運輸・倉庫が14.74%増、その他サービスが11.14%増、宿泊施設・飲食が10.90%増の順で成長率が高かった。一方、行政・防衛・社会保障は6.23%減、教育サービスは2.07%減となった。

地域別では、マルク・パプア島が前年同期比9.25%と最も高い成長率になり、スラウェシ島が6.44%で続いた。GDPの6割弱を占めるジャワ島は4.83%増だった。ジャカルタ首都特別州での成長率は4.93%となった。

UOB銀行のエコノミスト、エンリコ・タヌウィジャジャ氏は、2023年の経済成長は、中国の需要減による輸出減少を主な要因とし、2022年通年のGDP成長率5.3%を下回るだろうと予測している(「コンタン」11月12日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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