10月の貿易赤字は約315億ドル、過去最大に

(インド)

ムンバイ発

2023年11月21日

インド商工省(MoCI)が11月15日に発表した「貿易統計」(速報値)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、10月の貿易収支(サービスを除く)は314億6,000万ドルの赤字で、40カ月連続の入超となった(添付資料図参照)。赤字幅は2022年9月(修正値)を上回り、過去最大を記録した。

10月の輸出額は前年同月比6.2%増の335億7,000万ドルと拡大した一方、輸入額も12.2%増の650億3,000万ドルと9カ月ぶりにプラスに転じた。

輸出額の内訳をみると、エンジニアリング製品80億9,420万ドル(前年同月比7.2%増)、医薬品24億2,447万ドル(29.3%増)、電気製品23億7,614万ドル(28.2%増)などが増加し、輸出額を押し上げた。

輸入額では、銀13億1,435万ドル(前年同月比2.2倍)、金72億3,007万ドル(95.4%増)が大きく増加した。また、電気製品78億2,847万ドル(26.2%増)、機械42億6,712万ドル(17.6%増)、石油製品・原油176億6,463万ドル(8.0%増)など金額が大きい項目での伸びが輸入額増加につながった。

インドでは例年、祝祭期(10~12月)に消費者の購買意欲が高まる。2023年の10月の輸入額では、前年同月比で金や銀、電気製品などが大きく伸びており、内需の旺盛さがうかがえる。ヒンドゥー教の新年を祝う「ディワリ(灯明祭)」は2023年が11月、2022年は10月で、その前月に2年続けて過去最大の貿易赤字を計上したことになる。

(丸山春花)

(インド)

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