AM/NS India、インドで高度技術者育成を本格化

(インド、日本)

調査部アジア大洋州課

2023年11月21日

世界有数の鉄鋼メーカーである欧州アルセロール ミッタル(本社:ルクセンブルク)と日本製鉄(本社:東京都)の合弁会社、アルセロール ミッタル ニッポンスチール インディア(AM/NS India)が設立した総合工科学校「ナムテック(NAMTECH)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、2023年9月12日から第1期生に向けた授業を開始した。第4次産業革命(インダストリー4.0)に対応する高度かつ専門的な技術者育成を目的とし、今後は職業訓練の提供も視野に入れている。

同校は工学系学部の卒業者や就業経験者などを対象としており、第1期生は55人のインド人が在籍する。グジャラート州で大学などを運営するサンスカルダムと提携して、カリキュラムを組む。インド工科大学(IIT)のほか、米国ワシントン大学セントルイス校やシンガポールのミュンヘン工科大学アジア校など世界有数の教育機関と連携したプログラムを提供している。また、ドイツ産業用自動化技術大手フェストやフランス電機大手シュナイダー・エレクトリックから講師として専門家が派遣されるなど、産学連携にも積極的だ。

日本製鉄グローバル事業推進本部インドプロジェクト部長の楠原義章氏は、ジェトロの取材に対して「インド国内の教育環境底上げが製造業振興に不可欠である高度な労働力創出につながる。NAMTECHの1期生も、みな真面目で良い学生が集まったと聞いた。優秀な卒業生は是非AM/NS Indiaで採用したいと考えている」とコメントした(ヒアリング11月17日)。

現在、同校の授業はグジャラート州のIITガンディナガル校の一角で行われているが、2026年7月に第1校舎、2030年7月までにすべての設備の完工を予定している。

(深津佑野)

(インド、日本)

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