上海蔚来汽車、バッテリー交換事業で長安汽車と提携
(中国)
上海発
2023年11月29日
中国の新興の電気自動車(EV)メーカー上海蔚来汽車(NIO)は11月21日、バッテリー交換事業で大手自動車メーカーの重慶長安汽車と協力協定を締結したと発表した。NIOがバッテリー交換事業で他社と提携するのは初となる。
発表によると、交換型バッテリーの標準規格化や、バッテリー交換ネットワークの構築と共有、交換型バッテリー搭載車種の研究開発、バッテリー資産管理メカニズムの構築などに共同で取り組む。
NIOの李斌董事長兼最高経営責任者(CEO)は「バッテリー交換事業に着手した時から、業界全体に事業領域を拡大することを試みていた。5年間の開発期間を経て、NIOのバッテリー交換ネットワークとエネルギークラウドは研究、建設、運営などで豊富な経験とノウハウを蓄積し、この事業領域を拡大する準備を整えた」と説明した。10月26日時点でNIOは中国全土で2,000カ所のバッテリー交換ステーションと、3,281カ所の充電ステーションを建設・運営している。また、今回の提携により、NIOと長安汽車は共同でEV産業の質の高い発展と自動車産業全体の低炭素化を推進するとコメントした。
長安汽車の朱華栄董事長は「バッテリー交換事業のみならず、エネルギーやバッテリー充電および自動車、生態環境の改善などで引き続きNIOと連携する」と説明した。
中国では、EV充電インフラの共同運用が進んでいる。米国テスラは4月25日に中国にある自社充電ステーションの一部を他社製37車種のEVにテスト開放すると発表した。また、11月10日には上海汽車通用汽車(SAIC-GM)がテスラとの充電ステーション相互利用を発表した。テスラが中国で自動車メーカーと充電ステーションを相互利用するのは初となる。2023年末からSAIC-GM傘下のブランドのキャデラックとビュイックの2車種がテスラの充電ステーションを使用できるようになる。
(宋青青)
(中国)
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