SBIホールディングス、アフリカ現地VCへ初の大規模出資

(ナイジェリア、日本)

ラゴス発

2023年11月27日

SBIホールディングス(本社:東京、以下SBI)は11月2日、アフリカにおける最老舗かつ最大手のベンチャーキャピタル(VC)であるノバスター・ベンチャーズ(本社:ロンドン)に出資し、戦略的資本提携契約を締結したと発表した。上場企業によるアフリカ現地のVCへの直接的な出資は初の事例となる。

SBIは、ノバスター・ベンチャーズが農業や気候変動対策関連の技術を中心に組成予定の2本のファンドに対して、4,000万ドルを出資する。また、ノバスター・ベンチャーズは日本からの出資をさらに募る方針で、SBIは追加で4,000万ドルを日本の政府系金融機関や商社などから募るとしている。SBIは今後も、成長が期待されるアフリカ地域のネットワークを強化し、次世代の経営者や技術への投資を通じて同市場の持続的な成長に貢献したい考えだ。

ノバスター・ベンチャーズは、2014年に設立されたアフリカ最老舗のVCとして知られる。アーリー・ミドルステージに特化したVCファンドで、第1号ファンドは8,000万ドル、第2号ファンドは1億800万ドルをそれぞれ調達した実績がある。第1号ファンドは東アフリカを中心に投資実績を持ち、2020年に組成された第2号ファンドでは西アフリカのスタートアップも視野に入れ、2019年にナイジェリア・ラゴスに拠点を設立した。報道によれば、ノバスター・ベンチャーズに対する出資額や出資比率は非公表であるものの、過半には満たないという。SBIホールディングスはノバスター・ベンチャーズに非常勤の役員を派遣するが、同社が外部株主を入れることは初めての取り組みとしている。

ジェトロでは2023年3月に、J-Bridge事業を通じてノバスター・ベンチャーズを含む複数のベンチャーキャピタルやスタートアップの訪日をアレンジし、SBIホールディングスと同社の面談がきっかけの1つとなった。

(柴田北斗)

(ナイジェリア、日本)

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