ガーナ大学とトヨタ・ガーナとの産学連携トレーニングセンター開設

(ガーナ)

アクラ発

2023年11月07日

ガーナ大学とトヨタ・ガーナの連携により、ガーナ大学基礎・応用科学部工学科に、トレーニングセンター(学習棟、ワークショップ)とトヨタ・ガーナ・レゴン支店(整備工場)が新設され、1026日に開所式典が行われた。

写真 新設されたトレーニングセンターおよびトヨタ・ガーナの式典(ジェトロ撮影)

新設されたトレーニングセンターおよびトヨタ・ガーナの式典(ジェトロ撮影)

ガーナ大学の構内に新設された両施設の総敷地面積は6エーカー(約2万4,000平方メートル)で、トレーニングセンターの学習棟には3つの講義室(250人収容可能)や、40台のコンピュータと3Dプリンターを備えたコンピュータ支援設計(CAD、Computer-Aided Design)室などがあり、ワークショップには自動車シミュレーター、試験装置、車両油圧リフトなどが備えられている。また、トヨタ・レゴン支店には、塗装工場、設備工場、スペアパーツ販売、車両配送センターなどの機能が備わっている。ガーナ大学とトヨタ・ガーナが2016年に覚書を締結したプロジェクトが実現したかたちで、トヨタの整備工場と隣接している点が同センターの大きな利点だ。

ヤオ・オセイ・アドゥトュム教育相は式典で、大学とトヨタ・ガーナの協力関係を賞賛し、国内の産学連携の促進が学生のスキルと能力向上へとつながり、21世紀の教育に備えることになると述べた。また、同教育相は、ベトナムでは10万人、ガーナでは7,000人のエンジニアが毎年育っているが、人口の規模から考えると、本来3万人のエンジニアがガーナから育つはずだと指摘し、大学への今後の期待を述べた。また、ガーナ大学副総長兼学長は、学生が論理だけでなく同時に実地での学びができることの重要性について述べ、この協力が学生の利益となり、国内および国際的な工学の地位向上に役立つとし、教育現場から産業界への人材輩出に期待を示した。11月現在、ガーナ大学の基礎・応用科学部では約1万2,000人(そのうち工学科では約1,500人)の学生が学んでいる。

トヨタ・ガーナは、丸紅の事業会社として1998年から自動車販売および整備を手掛け、2拠点から現在の11拠点(同キャンパス内の拠点も含め)まで拡充してきた。トヨタ・ガーナは同センターに対し、200万ドル相当の設備・機材を10年間提供し、また、経済的に困難な工学科学部の学生に対して奨学金による支援を行い、才能を育成し、同センターがガーナの今後の産業化と自動車産業の発展につながる布石となることを期待したいと述べた。

写真 トレーニングセンター内の講義棟(ジェトロ撮影)

トレーニングセンター内の講義棟(ジェトロ撮影)

写真 トレーニングセンター内の講義棟CAD室(ジェトロ撮影)

トレーニングセンター内の講義棟CAD室(ジェトロ撮影)

写真 トレーニングセンター内のワークショップ(ジェトロ撮影)

トレーニングセンター内のワークショップ(ジェトロ撮影)

(関根広亮)

(ガーナ)

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