北部クアンニン省で経済・投資セミナー開催、北海道フェスティバルの一環

(ベトナム、北海道、日本)

ハノイ発

2023年11月28日

ベトナム北部クアンニン省ハロン市内で11月17日、クアンニン省と北海道、ジェトロは経済・投資セミナー「クアンニン・日本投資促進カンファレンス2023」を開催した。日本ベトナム外交関係樹立50周年、クアンニン省創立60周年を記念する「北海道フェスティバル in ハロン」のメインイベントとして企画された。グエン・スアン・キー同省党委員会書記、山田滝雄駐ベトナム大使、鈴木直道北海道知事らをはじめ、ベトナムと北海道を中心とする日本の行政・企業関係者ら800人以上が参加した。

景勝地ハロン湾などの観光スポットで知られるクアンニン省はこれまで、日本企業の進出地に選ばれることは多くなかった。しかし、港湾都市ハイフォンに隣接するアクセスの良さなどから、近年はインフラや工業団地の整備が進み、外国企業の進出も増加しつつある。日本企業の同省への投資案件は2022年以降、少なくとも5件認可されている。

基調講演で鈴木知事は「北海道の強みである食分野をはじめ、さまざまな分野でベトナムとの交流を強化し、双方のさらなる経済発展を目指したい」と述べた。

パネルディスカッションでは、北海道の自治体首長や日本企業、同省や工業団地の代表者など計18人が登壇した。ジェトロ・ハノイ事務所の中島丈雄所長とクアンニン省投資促進局のブー・ティ・キム・チー副局長がモデレーターを務め、「クアンニン省と日本の投資・貿易の接続」をテーマに議論が交わされた。同省商工局のグエン・ティ・ヒエン局長は「クアンニン省にとって、日本は世界第2位の輸出先だ。裾野産業やグリーン分野の発展に注力し、貿易を拡大させたい」と意欲を見せた。北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭は「北海道とクアンニン省は、風力発電など再エネへの取り組みや、食と観光産業に共通点がある。人的交流を加速させ、両国の課題解決につなげたい」と述べた。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

セミナー終盤には、日本企業への投資登録証明書(IRC)授与のセレモニーが行われた。クアンニン省に拠点を設立する製造業のキャステム(本社:広島県福山市、主な事業内容:精密機器部品)、パーツ精工(埼玉県三郷市、機械加工・切削加工)、多摩川精機(長野県飯田市、自動車・航空機用センサー)、フジックス(東京都、ワイヤーハーネスなど)の4社がIRCを受け取った。いずれも、アマタシティー・ハロン工業団地(ソンコアイ工業団地)で事業展開予定だ。

写真 投資登録証明書(IRC)授与の様子(ジェトロ撮影)

投資登録証明書(IRC)授与の様子(ジェトロ撮影)

(萩原遼太朗)

(ベトナム、北海道、日本)

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