トヨタ自動車、ベンガルール市内に新工場建設を発表

(インド、日本)

ベンガルール発

2023年11月28日

トヨタ自動車は11月21日、インド現地法人がカルナータカ州政府と覚書を締結し、ベンガルール市内に新工場を建設すると発表した。同社にとってインドで3カ所目の工場となり、投資額は330億ルピー(約594億円、1ルピー=約1.8円)に上る。2026年の完成後は年間10万台の追加生産が可能となり、新規で約2,000人の雇用創出を見込む。

市内のホテルで同日開催された締結式典には、カルナータカ州のシッダラマイアー首相やM・B・パティル大・中規模産業・インフラ開発相ら州政府の要人も多数出席した。

現地法人トヨタ・キルロスカ・モーターの吉村公一社長は、新工場建設は州内の雇用創出に貢献すると述べ、今後も州政府と協力しながら、世界クラスの地域エコシステムの構築に向け取り組んでいくと述べた。

インドは近年の経済成長によって中間所得層が拡大しており、国内の自動車販売台数は現在、中国、米国に次ぐ世界第3位にまで成長している。これまで日系企業によるインドへの投資は自動車産業を中心に行われており、今後もインド国内の自動車市場は大きく伸びることが予想される。

ジェトロが11月21日に発表した「2023年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」でも、在インド日系企業による今後1~2年間の事業拡大意欲を表す回答は75.6%に上り、世界で最も高い数値を示した。実際、日本企業によるジェトロ・ベンガルール事務所への新規拠点設立に関する相談は増加傾向にあり、今回のトヨタ自動車による新工場建設の計画を受け、日本企業によるインドへの新規・追加での投資案件もさらに増加していくことが期待される。

写真 覚書を締結したカルナータカ州とトヨタ現地法人の関係者(トヨタ・キルロスカ・モーター提供)

覚書を締結したカルナータカ州とトヨタ現地法人の関係者(トヨタ・キルロスカ・モーター提供)

(水谷俊博)

(インド、日本)

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