ガザで戦闘一時停止・人質解放が24日から開始へ、カタール外務省発表

カタール外務省のマジェド・ビン・ムハンマド・アル・アンサーリー報道官は11月23日に記者会見を開き、ガザ地区におけるイスラエルとハマスの戦闘の一時停止は、現地時間の24日午前7時（日本時間24日午後2時）に開始されることを明らかにした。

アンサーリー報道官は、ハマス、イスラエル、調停者間の協議が終了し、解放される人質のリストが引き渡されたと述べた。また、人質の「第1陣」の引き渡しは11月24日の現地時間午後4時（日本時間の午後11時）ごろになると述べた。

ハマスは4日間で50人前後の人質を解放するとしており、第１陣は13人の女性と子供になる予定だ。アンサーリー報道官は、4日間に残りの人質に関する情報を収集し、さらなる人質解放の可能性を検討し、戦闘一時停止の延長に向けた作業を行うと述べた。また、同報道官は、イスラエルが拘束しているパレスチナ人の囚人も、人質解放と同様の期間内にイスラエルの刑務所から解放されると述べた。

なお、イスラエル首相府は22日、人質解放と戦闘一時停止の合意の閣議決定に関する文書（ヘブライ語）を公表した。同文書によると、ハマスとの人質解放に関する合意は2段階かつ複数回に分けて実施するとしている。第1段階では、ハマスが50人の人質をイスラエルの治安部隊に引き渡すことを前提に、イスラエルは150人の囚人を刑務所から釈放するとしている。人質解放は4日間かけて行われ、1日につきハマスは10人以上を解放し、その間、戦闘は停止状態になるとしている。

第2段階では、ハマスがさらに50人を解放することを条件に、イスラエルは150人の囚人を追加で釈放するとしている。こちらの回数は決められていないが、ハマスが10人以上解放するごとに24時間の戦闘停止となるとしている。また、イスラエル司法省は11月22日、釈放の可能性のあるパレスチナ人の囚人300人のリストを公表している。

他方、閣議決定によると、イスラエルは戦闘の一時停止後も、ハマスの統治能力やインフラを破壊するという目標を達成するための活動を継続するとしている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は11月22日の記者会見で、「われわれは戦闘の目標を『ハマスを排除し、人質を解放させ、ガザがイスラエルにとって脅威でなくなるようにする』と定義しており、人質を解放させるための条件を整えるために行動し、その条件を整えた」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

（中溝丘）