フィリピン最大級のワインイベントで目立つ日本産アルコール飲料の存在感

(フィリピン)

マニラ発

2023年11月24日

フィリピン大手のワイン卸小売業者であるフィリピン・ワイン・マーチャンツは11月17日、フィリピン最大規模のパーティーイベント「グランドワインエクスペリエンス」をマニラで開催し、日本から酒蔵など24社が出展した。本イベントでは、同社が扱う世界のワインやウイスキーなどのアルコール飲料を、ホテルやレストランのオーナー、富裕層を中心とする来場者が自由に試飲できる。出展するメーカーにとって、新規顧客の開拓や商品PRに絶好の機会となった。

今回の開催は新型コロナ禍をはさんで4年ぶり、20回目の節目を迎えたことから3,000人を上回る来場者があった。来場者数、展示者数ともに新型コロナ禍以前の前回より増加し、約1,800種類の酒が提供された。

日本からは、日本酒や焼酎の酒蔵など24社が出展した。会場の一角を日本の展示が占めた。今回初めて本イベントに出展した小江戸鏡山酒造(埼玉県)の五十嵐専務取締役は「フィリピンに来るたびに日本酒の需要が拡大していると感じている。ワインやウイスキー、日本酒などいろいろな種類の酒が一堂に会するパーティーイベントは、日本を含め世界でも非常に珍しい。ワインを飲みに来た人が日本酒や焼酎にも出会うきっかけになっている。若い人々の参加も多いため、非常に貴重で有用だ」と語った。同じく今回初出展した森伊蔵酒造(鹿児島県)の海外輸出を担当するJALUXの大塚上席主任は「焼酎の認知度は徐々に高まっており、売上高も拡大しているものの、まだ広くフィリピンに知れ渡っている状況ではない。こうしたイベントに出展して、若い方にも焼酎を飲んでもらい認知度を高めていくことで、まだまだ売り上げ拡大の余地がある」と、日本産焼酎マーケットに対する今後の期待を語った。

フィリピン・ワイン・マーチャンツで日本産アルコール飲料を担当するレイモンド・ジョセフ部長はジェトロに対し、「日本酒の売り上げも毎年拡大しており、出展する酒蔵も増え続けている。2024年5月24日にはサケ・マニラという日本産アルコール飲料に特化したイベントを実施する予定で、既に40社の出展が決まっている」と語った。さらに、日本酒マーケット拡大に向けた取り組みとして「2022年にマニラにオープンした三越で、毎月テイスティングイベントを開催している」「一般顧客だけではなく、レストランのシェフやオーナーなども対象としている。彼らにも日本酒を知ってもらうことで、より多くの顧客に日本酒の知識が広まっていく」と話した。

写真 フィリピン・ワイン・マーチャンツで日本産アルコールを担当するレイモンド部長(ジェトロ撮影)

フィリピン・ワイン・マーチャンツで日本産アルコールを担当するレイモンド部長(ジェトロ撮影)

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

(須藤真)

(フィリピン)

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