7~9月期の失業率は2.8%と3期連続で横ばい、若年層の雇用状況が改善
(香港)
香港発
2023年11月02日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は10月19日、7~9月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、5~7月期から3期連続で横ばいの2.8%と発表した(添付資料図参照)。
業種別にみると、「小売り・宿泊・飲食サービス」(3.7%)、「運輸・倉庫・郵便・宅配サービス・情報・通信業」(2.8%)、「金融・保険・不動産・専門およびビジネスサービス」(2.5%)、「行政・社会・個人向けサービス」(1.4%)は横ばいだった。改善したのは「製造」(前期から0.1ポイント低下の4.1%)のみで、「建築」(同0.1ポイント上昇の3.9%)、「貿易・卸売り」(同0.1ポイント上昇の2.8%)、「その他の業種」(同0.5ポイント上昇の3.5%)は悪化した。
年代別では、「15~19歳」(前期から3.6ポイント低下の11.4%)、「20~29歳」(同0.1ポイント低下の6.2%)の若年層の雇用状況が改善した。一方で、「30~39歳」(同0.1ポイント上昇の2.2%)、「40~49歳」(同0.1ポイント上昇の2.3%)、「50~59歳」(同0.1ポイント上昇の2.8%)、「60歳以上」(同0.2ポイント上昇の2.2%)の雇用状況は前期から悪化した。
香港政府労働・福祉局の孫玉菡局長は「失業率は2.8%と低い水準にある」と強調し、今後の労働市場の見通しについて、「観光に関連する継続的な消費の伸びが労働市場を引き続き下支えするだろう」との見方を示した。
香港中文大学の荘太量教授は「現在の失業率は完全雇用に相当し、これ以上の数値改善は非常に限定的と考えるが、低失業率は長期にわたって維持されるだろう」との見解を示した(「香港経済日報」10月20日)。
なお、香港政府労働局は11月8~9日に、深水埗(シャムスイポー)で大規模な就職フェアを開催する予定としている。同フェアには40社以上の企業が参加し、多数の求人情報が公開される見込みだ。求職者たちは、労働局のオンラインプラットフォームから情報を得ることができる。
(横田覚)
(香港)
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