自動車産業の高度化支援、エンジン車やハイブリッド車生産も対象
(タイ)
バンコク発
2023年11月17日
タイ投資委員会(BOI)は11月9日、自動化システムやロボティクスを導入する自動車メーカーを支援する新たな投資促進措置(インセンティブ)を承認した。製造工程における自動化、ロボット化を推進することで自動車産業の競争力強化を狙う考えだ。
インセンティブの対象はエンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の生産で、新規プロジェクトだけでなく既存プロジェクトも対象となる。当該措置により、生産効率の改善や先端自動技術を利用した自動車産業への移行を後押しする。
具体的には、自動化やロボティクスへ投資する自動車製造業者に対し、法人所得税を3年間免除する(免除額に上限あり、注)。なお、インセンティブの申請の期限は2024年末までとなっている。
現地報道によると、これらの投資促進措置により、BOIは自動車産業への投資を呼び込もうとしており、特に12月にセター・タビシン首相が訪日する際のアピール材料とする意図があるようだ。タイの自動車産業は、2,300社以上のメーカーがサプライチェーン(自動車メーカー20社以上、Tier1部品メーカー530社、Tier2およびTier3部品メーカーは中小企業を中心に合計約1,750社)を構成し、約90万人の雇用を創出している(「ネーション」紙11月13日)。
(注)法人税免除は投資額の50%を上限とするが、国内事業者との連携がある場合は、投資全額が法人所得税から免除される。詳細はBOIに要確認。
(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)
(タイ)
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