CATL、貴州省で動力、蓄電池工場を稼働

(中国)

成都発

2023年11月14日

中国の車載電池大手の寧徳時代(CATL)は10月27日、貴州省の貴安新区(注)で動力電池と蓄電池の工場の操業を開始した。

同工場の総敷地面積は約1,435ムー(約95万7,100平方メートル、1ムー=約667平方メートル)に及び、年産能力は60ギガワット時(GWh)で、動力電池と蓄電池を生産する計画だ。工場は2期に分けて建設する計画で、今回操業を開始したのは第1期。面積は約885ムー(約59万平方メートル)、投資額は70億元(約1,470億円、1元=約21円)に上る。CATLの発表によると、第1期の工場は高度に自動化されており、材料投入から約2分半で1つの電池パックを製造することが可能だという。また、年産能力は30GWhで、動力電池と蓄電池、関連設備を生産でき、生産額は年間150億元になるという。量産を実現させ、貴安新区で新エネルギー車(NEV)やバッテリー、素材などの生産に貢献するとしている。

CATLは車載電池や蓄電システムなどの製品をグローバルに展開している。CATLによると、2022年には電気自動車(EV)バッテリーのシェアで6年連続世界第1位を達成し、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)出荷台数では2年連続世界第1位となっている。

貴州省はNEV産業発展への各種施策を展開している。貴州省政府は10月27日に「NEV産業の質の高い発展を加速させ、『電動貴州』を建設する指導意見」を発表した。同発表によると、2026年までに省内のNEV目標保有台数を70万台とした上で、充電ステーションを2,300カ所以上、充電スタンドを49万個以上にする目標を掲げた。また、2024年から同省の共産党・政府機関、国有企業の公用車について、特種車両を除いて原則として全てNEVなどのクリーンエネルギー車(注2)にすると定めた。

(注)貴安新区は、2014年設立した中国国内で8番目の国家級新区。場所は貴州省貴陽市と安順市が隣接する黔中経済区の中心地にあり、面積は1,901平方キロメートル、常駐人口は35万4600人。

(注2)クリーンエネルギー車とは、ガソリン、ディーゼルなどの伝統的な燃料ではなく、環境にやさしいエネルギーを使っている車の総称で、エネルギー消耗が低く、汚染物質の排出が少ない点が特徴。

(王慧シン)

(中国)

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