イノベーションの国際イベントInnoEx、ベトナムで初開催

ベトナムのホーチミン市内で8月24日から2日間、ASEAN地域のビジネスイノベーションを促進する国際イベント「InnoEx2023」が初開催された。テーマは、持続可能な発展とイノベーションの促進に焦点を当てた「イノベーションとグリーンエコノミー」だった。2日間で16のプログラムが実施され、約3,000人の企業経営者や専門家、70社以上のベトナム国内外投資ファンド、52カ国・地域からのスタートアップ（SU）など、合計で2万人以上が参加した。

InnoEx2023はホーチミン市青年起業家協会（YBA）、ホーチミン市青年起業家支援センター（BSSC）、ベンチャーキャピタルのIBPが共同で開催。ベトナムで10年以上続く起業家イベント「ベトナムCEOフォーラム」と、東南アジア最大のSUコンテスト「スタートアップ・ホイール（SW）」も連携したイベントとなった。また、持続可能な発展を目指すSUに対する支援プログラム「グリーン・イノベーション・フェローシップ（GIF）」や、大学生のイノベーター育成プログラム「タレント・ハブ」に応募するSUによるピッチ、ESG（環境・社会・ガバナンス）に関心のある企業とインパクト投資に注力する投資ファンドが議論する場の「グリーン・サミット」なども会場で行われ、注目を集めた。

「SW」と「GIF」は合計34カ国・地域の2,000社以上の候補から選ばれた110社がピッチを行った。ベトナム地場SUでは、蓄熱技術を通じてエネルギー問題を解決する「砂電池」を開発しているアルテルノ（Alterno）、小売業者向けにオンライン販売と在庫管理のソリューションを提供するソバンハン（Sobanhang）などが入賞した（注）。

同イベントの一環で設けられた「ローンチパットInnoEx2023」のステージでは、ベトナムSUによる新サービスが発表された。セレックス・モーターズ（Selex Motors）は、乗客輸送向けと冷蔵物流向けの電動バイクを発表。フィンテックのビジィ（Bizzi）は、アプリによる経費管理や支払いサービスを備えた法人向けクレジットカードを紹介した。また、企業展示ブースでは、ベンコン（Benkon）が空調システムの管理・最適化を行うモノのインターネット（IoT）デバイスを展示。メットEV（MET EV）は二酸化炭素（CO2）の排出量削減を目的とした電動二輪車、スマートバッテリー、バッテリー交換ステーションを紹介した。

（注）この記事に登場するスタートアップへの取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ・ホーチミン事務所（VHO＠jetro.go.jp）まで連絡を。

（ファン・ウィン）