2022年の中国企業の対外直接投資、前年比8.8%減

(中国)

北京発

2023年10月12日

中国商務部と国家統計局、国家外貨管理局は9月28日、「2022年中国対外直接投資統計公報」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

それによると、対外直接投資額(フロー)は前年比8.8%減の1,631億2,000万ドルだった。2022年の世界の対外直接投資額(フロー)が大幅に減少する中、中国の対外直接投資も減少に転じたものの、米国に次いで引き続き世界第2位となった。また、全体に占める割合は10.9%で、前年より0.4ポイント拡大した(注)。

地域別では、対外直接投資額に占める割合が大きいアジア(構成比76.2%、前年比3.0%減)、中南米(10.0%、37.5%減)、欧州(6.3%、4.9%減)向けが軒並み減少した。一方、北米向けは10.5%増となり、そのうち米国向けは30.6%増加した。投資先の国・地域別に対外直接投資額(フロー)を見ると、1位が香港、次いで英領バージン諸島、シンガポール、米国、ケイマン諸島の順となっている(添付資料表参照)。

業種別で最も投資額が大きいのはリース・ビジネスサービス業で、前年比11.9%減の435億ドルと、全体の26.7%を占めた。2位の製造業は1%増の272億ドル(構成比16.6%)、3位は金融で17.5%減の221億ドル(同13.6%)、4位の卸・小売りが24.8%減の212億ドル(同13%)、5位の鉱業が151億ドル(同9.3%)、6位の交通運輸・倉庫・郵政業が150億ドル(同9.2%)となった。上位6業種向けの投資が全体の9割近くを占めている。

中国の2022年末時点のストックの対外直接投資額は2兆7,548億ドルで、米国(8兆ドル)、オランダ(3兆2,000億ドル)に次いで世界の国・地域で3位だった。中国の対外直接投資額(ストック)を国・地域別にみると、香港向けが1兆5,887億ドルで全体の57.7%を占めて最も多かった。次いで、英領バージン諸島(3,673億ドル、構成比13.3%)、ケイマン諸島(2,115億ドル、同7.7%)、米国(792億ドル、同2.9%)、シンガポール(735億ドル、同2.7%)が続いた。

(注)「2022年中国対外直接投資統計公報」では、中国以外の国・地域については国連貿易開発会議(UNCTAD)の「2023世界投資報告書」に基づいて分析を行っている。

(張敏)

(中国)

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