9月の自動車販売は過去最高を更新、引き続き輸出が好調

(中国)

上海発

2023年10月18日

中国自動車工業協会(CAAM)が10月11日に発表した9月の自動車販売台数は、前年同月比9.5%増の285万8,000台、生産台数は同6.6%増の285万台だった。9月の自動車市場について、CAAMは「政府による各種政策の効果で、生産、販売ともに過去最高を更新した」と述べ、「現状の販売台数からみると、2023年通年の販売台数は2,800万台を超える」との見通しを示した。

販売台数の内訳は、乗用車が248万7,000台(前年同月比6.6%増)、商用車が37万1,000台(33.2%増)だった。そのうち、新エネルギー車は過去最高を更新し、90万4,000台(27.7%増)に達した。しかし、自動車販売台数全体に占める新エネルギー車の割合は前月から1.2ポイント減少で31.6%にとどまった。

2023年1~9月の累計販売台数は2,106万9,000台(8.2%増)だった。伸び率は1~8月から0.2ポイント拡大した。販売台数の内訳をみると、乗用車は1,813万台(6.7%増)、商用車は293万9,000台(18.3%増)となった。そのうち、新エネルギー車は627万8,000台(37.5%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は29.8%に達した。

1~9月の国別の乗用車シェアでは、中国ブランドが54.6%を占めた。外資系はドイツ系が18.5%、日系が14.6%、米国系が9.2%、韓国系が1.6%、その他が1.6%となった。

9月の自動車輸出台数は44万4,000台(47.7%増)で、2カ月連続で40万台を超えた。うち、ガソリン車は34万8,000台(38.8%増)、新エネルギー車は9万6,000台(92.8%増)だった。

1~9月の累計輸出台数は338万8,000台(60%増)、そのうち、ガソリン車は256万3,000台(48.3%増)、新エネルギー車は82万5,000台(2.1倍)だった。企業別でみると、上位10社は、上海汽車(76万1,000台)、奇瑞汽車(64万8,000台)、テスラ(26万5,000台)、長安汽車(26万1,000台)、吉利汽車(24万7,000台)、長城汽車(21万2,000台)、東風汽車(15万9,000台)、BYD(15万4,000台)、江淮汽車(12万7,000台)、北京汽車(11万9,000台)の順となっている。伸び率では、BYDが前年同期比6.2倍、奇瑞汽車が2.1倍、長城汽車が89.4%増と高い伸びを示した。

輸出先に関し、CAAMは税関の統計に基づいて発表した1~8月の国・地域別自動車輸出台数は、ロシアが最も多く(54万4,000台)、メキシコ(25万8,000台)、ベルギー(15万5,000台)、オーストラリア(15万4,000台)、サウジアラビア(13万4,000台)の順となっている。新エネルギー車の輸出先上位3カ国はベルギー、タイ、英国だった。

(宋青青)

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