米自動車部品工業会、UAWストライキによるサプライヤーへの影響調査の結果発表
(米国)
シカゴ発
2023年10月06日
米国自動車部品工業会(MEMA、注)は10月3日、9月15日に開始した全米自動車労働組合(UAW)によるストライキが自動車部品サプライヤーにどのような影響があるかについての調査結果を発表した。9月29日付の調査によると、同工業会会員で調査対象となった自動車部品サプライヤーの30%近くがこのストライキの影響で、直接雇用の従業員の一部を解雇していると答えた。また、60%以上が10月中旬までに解雇を開始する見込みという。同工業会によると、自動車部品サプライヤーは90万人以上の労働者を雇用しており、これは「デトロイト3」のUAW会員数14万6,000人の6倍以上となる。
MEMAの純正品サプライヤー部門のトップを務めるジュリー・フリーム最高経営責任者(CEO)は「ストライキがいつまで続くのか、どの工場が影響を受けるのか、全てが不透明なため、サプライヤーはより一層積極的に計画を立て、安定化を図る必要に迫られている」と述べた(オートモーティブ・ニュース10月4日)。
また、この調査結果からは、多くのサプライヤーが困難な財務状況に直面していることがうかがえる。今回調査対象となった自動車部品サプライヤーのうち70%は、下請けサプライヤーが持続的な財務の維持が可能かどうかに懸念を抱いていると答えた。MEMAの政府渉外担当のアン・ウィルソン上級副代表は「われわれが本当に懸念しているのは、下請けサプライヤーの資金繰りの弱さだ。サプライヤーの多くは頼るべき資本を持ち合わせていない」と述べた(デトロイト・フリープレス10月4日)。MEMAはホワイトハウスと協力し、売上高2億ドル未満と定義される小規模サプライヤーに経済的な援助を提供する計画を立てており、9月26日にはジョー・バイデン大統領に対し、「この重要な産業分野の存続を保証するため、連邦政府による支援を実施するよう」要請したと報じられている(ロイター9月26日)。
なお、同調査では自動車部品の生産について、稼働休止中のサプライヤーの50%以上が生産をストライキ前の水準に戻すのには少なくとも1週間必要と回答している。
(注)MEMA(Motor & Equipment Manufacturers Association)は、自動車、トラック関連の直納部品メーカーや市販部品メーカーの業界団体で、1,000社以上の会員を擁する。
(星野香織)
(米国)
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