製薬大手シプラ、山岳地帯の医薬品配送にドローン導入

(インド)

ムンバイ発

2023年10月27日

インドの製薬大手シプラ(本社:マハーラーシュトラ州ムンバイ)は、遠隔地へのドローン(無人機)による業者向け医薬品配送に乗り出した。同国製薬大手で初となる試みで、9月26日のサービス開始から3週間で約60回配送している。

当初は北部ヒマーチャル・プラデシュ州の病院や薬局を対象として、心臓や呼吸器向けなど、緊急度が高い医薬品の配送に利用する。同州はヒマラヤ山脈の麓に広がる山岳農村地帯で、これまで医薬品のような緊急度の高い製品を急配する方法がなかった。シプラと、配送サービスを手掛けるスカイ・エア・モビリティー(本社:ハリヤナ州グルグラム)が同州で行った運用試験では、ドローンの使用によって約50キロの距離を25分以内に配送できており、山間部での輸送時間が飛躍的に短縮されることが期待される。

シプラは10月下旬、ジェトロのインタビューに対して、今後の同事業の展開については「丘陵地帯が多い北東部の州や北部ウッタラカンド州などへサービス範囲を拡げていくことで、同地域での存在感を高めていきたい」と説明した。

シプラとの提携でドローン配送を担うスカイ・エア・モビリティーは、Eコマース大手フリップカートのヘルスケア部門や料理宅配大手スウィギーなどの企業や州政府とも連携している。

写真 遠隔地の医薬品の配送に使用されるドローン(シプラ提供)

遠隔地の医薬品の配送に使用されるドローン(シプラ提供)

(丸山春花)

(インド)

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