アルゼンチン州知事選挙、与党連合は牙城のブエノスアイレス州で大勝

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年10月24日

アルゼンチンで10月22日、ブエノスアイレス州、ブエノスアイレス市、中央部エントレ・リオス州、北西部カタマルカ州の州知事・市長選挙が行われた。

ブエノスアイレス州、カタマルカ州で与党連合「祖国のための同盟(UP)」の現職州知事が再選、エントレ・リオス州で野党連合「変革のために共に(JxC)」系の候補が与党連合系の候補を破って勝利した。ブエノスアイレス市は、JxCの候補が最多得票となったが、同市憲法が定める「白票を除く有効票の50%以上を獲得」という条件を開票率98.68%の時点で満たしていないため、次点のUPの候補との決選投票が、大統領選挙の決選投票と同じ11月19日に行われる可能性が高い。

2023年はブエノスアイレス市を含む24州・市のうち22州・市で州知事・市長選挙が行われたが、18州は大統領選挙とは異なる日程だった。大統領選挙、国会議員選挙と同日に行われた州知事・市長選挙は添付資料表1参照。

今回の州知事選挙では、ブエノスアイレス州の動向に特に注目が集まった。ブエノスアイレス州は、与党連合内の急進左派のクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(CFK)副大統領とその支持組織である「ラ・カンポラ」が重視する場所だからだ。ブエノスアイレス州は、すべての州の中で最も大きな下院議員の定数を抱えると同時に、アルゼンチン経済においても最も重要な州だ。同州では、CFKに近い現職のアクセル・キシロフ候補が、予備選挙から得票率を8ポイント以上伸ばして勝利した。

2023年にこれまで行われた州知事選挙の結果を整理した(添付資料表2参照)。2023年の州知事・市長選挙では、ブエノスアイレス州や伝統的にペロン主義が強い北部の州では与党連合が順当に勝利しつつも、大統領選挙では敗れた野党連合JxC系の州知事がいくつかの州で誕生した。これが連邦政府と州政府の関係にどのような変化をもたらすのかに注目が集まる。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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