47の郡別GDPを発表、ナイロビが経済的に突出

(ケニア)

ナイロビ発

2023年10月19日

ケニア国家統計局(KNBS)は10月5日、ケニア国内の47の郡別のGDP、すなわちGCP(Gross County Product)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。47の郡のうち、人口およびGCPでナイロビが突出し、2022年の人口は全人口の9.2%を占める467万2,000人、GCPは全体の27.5%を占める3兆3,794億シリング(Ksh、1Ksh=約1円)だった。

KNBSによると、2018年から2022年の5年間の総付加価値(GVA:GCP合計に占める各郡のシェア)が4%を超えた郡はナイロビ(27.5%)、キアンブ(5.7%)、ナクル(4.9%)、モンバサ(4.9%)の4郡のみだった(添付資料図参照)。実質GCP成長率の全国平均は4.6%で、これを上回ったのは47郡のうち17郡にとどまった。各郡の1人当たりGCPをみると、2022年のケニアの国全体の1人当たりGDPの26万4,077シリングを上回ったのは6郡のみと、経済が一部の群に大きく偏っていることが明らかになった。

業種別で各郡のGVAをみると(添付資料表参照)、ケニアのGDPの21%を占める農林水産業では、メル(7.6%)、ナクル(5.2%)、ニャンダルア(4.5%)、ムランガ(4.1%)、キアンブ(4.0%)が上位を占めた。KNBSは、農業の盛んな郡では、一部の品目に栽培が偏っている郡よりも、茶、コーヒー、メイズ、野菜など多品目を栽培している郡が上位を占めたと分析している。製造業ではナイロビが36.9%を占め最大で、続いてモンバサ(9.6%)、キアンブ(8.4%)、マチャコス(7.8%)、キリフィ(4.6%)と続いた。KNBSは、モンバサ、キアンブ、マチャコスは輸出加工区(EPZ)を有しており、その恩恵が大きいと分析している。サービス業もナイロビが37.3%を占め最大で、モンバサ(5.6%)、キアンブ(5.0%)と続いた。地理的には、農業はケニア西部とケニア山周辺のケニア中部、製造業はナイロビ周辺およびモンバサ、サービス業はナイロビ周辺およびモンバサにGVAの高い郡が集中しているという結果となった。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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