2023年下半期で日本最大級のIT展示会、企業で生成AIの活用進む

(日本、ベトナム)

調査部アジア大洋州課

2023年10月30日

2023年下半期で最大級のIT展示会「Japan IT Week秋」が10月25日から27日まで幕張メッセで行われ、約660社が人工知能(AI)、デジタルマーケティング、メタバース、ソフトウエア開発、データセンター、IoT(モノのインターネット)などの分野で出展した。展示会併催のセミナーでは、注目が集まる生成AIの業務での活用について専門家が基調講演を行った。

基調講演に登壇したシナモン代表取締役社長Co-CEOの平野未来氏は、「自動化の自動化」をテーマに、生成AIを活用することで、これまでマニュアルで行われていた自動化設計のプロセスを変更し、工数の大幅削減につながるなどのインパクトを解説した。また、デロイト トーマツ コンサルティング執行役員兼パートナー、アジア太平洋地区先端技術領域リードの森正弥氏が、ChatGPT/LLM(大規模言語モデル)の戦略的活用として、業務システムや顧客対応における生成AI活用の事例、さらには業界・自社で独自のLLMを作る動きなどを紹介した。

ベトナムのオフショアリングでもAI技術への対応進む

会場では、ソフトウエア開発などのオフショアリングやニアショアリングを行う企業・団体も多数出展した。ベトナムからは、主に日本企業にオフショアリングサービスを行うカオピーズ、再春館システムベトナム、BRYCEN、Luvina Software JSCなどが出展した。このうちAIに関しては、カオピーズが、画像認識ソリューションの取り組みを進めていることなどを紹介した。出展企業からは、「日本企業はベトナムでのオフショアリングに抵抗がなくなっていることを感じる」「今後も日本とベトナムは良好なパートナー関係を続けていくだろう」といったコメントがあった。

インドのオフショアリング企業としては、日印ソフトウェアソリューション、Innovature Technology、KWEBMAKERなどが出展した。また、地方自治体や商工団体では、沖縄県、札幌商工会議所、佐賀県、下関市、長野市、北陸地域企業誘致連絡会、宮崎県などがニアショアリングなどの取り組みをPRした。

写真 展示会場の様子(ジェトロ撮影)

展示会場の様子(ジェトロ撮影)

(山城武伸、細川雄貴)

(日本、ベトナム)

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