ウズベキスタン、ロシア産天然ガスの輸入を開始

(ウズベキスタン、ロシア、カザフスタン)

タシケント発

2023年10月17日

ロシア産天然ガスのウズベキスタン向け輸出が10月7日から開始された。モスクワで出荷を記念する式典が行われ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、通過国になるカザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領が出席した。

これは、6月にロシアのガスプロムとウズベキスタン政府との間で合意に至ったもので、1960年代に建設され、ロシア向けガス輸送に使っていた「中央アジア~中央」ガスパイプライン(2023年6月26日記事参照)を逆送するかたちで、年間28億立方メートルの天然ガスが2年間供給される。圧送ステーションの更新やガス圧測定所の建設などが3カ月半という短期間で行われた。

ウズベキスタンは急速な経済成長により、発電用を含む天然ガスの需要が増加している。一方、2018年以降、同国ではガス生産量が減少傾向で、2022年には国内消費量をわずかに上回るのみとなった(添付資料表、図1参照)。ウズベキスタンはソ連時代からロシア向けに天然ガスを供給してきたが、2020年以降はロシアへの輸出を停止し、中国へのガス供給も2019年以降は減少傾向だ(添付資料図2参照)。ウズベキスタンは天然ガス輸出国から輸入国へと変わりつつある。

ウズベキスタンのメディアは10月9日、ウズベキスタン政府とロシアのガスプロムとの間で、ロシア産天然ガス供給に関する新たな中長期契約に関する交渉が開始されたと報じた(「ニュースハブ」10月9日)。8月24日にはトルクメニスタンの国営トルクメンガスとウズガストレード(注)が年間約20億立方メートルの天然ガスのウズベキスタン向け短期供給契約を締結していた。今後、トルクメニスタンからの調達量を長期的に増やしていく方向で調整中と報じられている(「スポット」8月25日)。

(注)ウズベキスタン国内の天然ガス生産者から卸売り購入と外国企業から輸入を行う国営会社。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、ロシア、カザフスタン)

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