米カリフォルニア州、ファストフードチェーンの最低賃金を2024年4月に時給20ドルに引き上げ

(米国)

ロサンゼルス発

2023年10月03日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9月28日、ファストフードチェーンの最低賃金を2024年4月1日から時給20.00ドルに引き上げる法案(AB1228)に署名した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

発表によると、州内のファストフードレストランの2022年の平均時給は16.21ドルだったが、今回の署名により、2024年4月1日以降は最低賃金が時給20ドルに上昇する。最低賃金の引き上げの対象は全米に60店舗以上を持つファストフードチェーンで、約50万人の従業員が恩恵を受けるという。

法案の具体的な内容は次のとおり。

  • 法案AB 257の撤回(後述)に伴い、州の産業関係局内にファストフード評議会を設置し、ファストフードチェーンで働く従業員の賃金や労働条件、研修に関連する最低雇用基準を策定するプロセスを設ける。
  • 2024年4月1日以降、ファストフードチェーンの従業員の最低賃金として時給20ドルを設定し、評議会が毎年賃金を引き上げることを認める。
  • 年間の賃金上昇率は3.5%、もしくは米国の消費者物価指数(CPI)上昇率のいずれか低い方を上限とする。
  • 評議会が労働、衛生、安全などの基準を提案・策定し、適切な機関が規則を制定することを認める。
  • 州全体の業界賃金の一貫性を保つため、2029年1月1日までファストフードチェーン労働者の賃金を制定できるのは評議会のみとする。
  • 評議会とその権限を2029年1月1日に廃止する。

ニューサム知事は2022年9月5日、全米で100店舗以上の展開を行うファストフードチェーンを対象とし、2023年1月1日から最低賃金を時給22.00ドルに引き上げる法案(AB 257)を承認していた。その後、国際フランチャイズ協会と全米レストラン協会が同法案に反対する努力を重ね、両者は組合の代表とともに交渉のテーブルにつき、今回の合意に達したという(「フランチャイズ・タイムス」誌電子版9月29日)。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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