1~9月の実質GDP成長率は5.2%、投資の減速続く
(中国)
北京発
2023年10月24日
中国の国家統計局は10月18日、2023年1~9月および9月の主要経済指標を発表した(添付資料表参照)。1~9月のGDPの実質成長率は前年同期比5.2%、第3四半期(7~9月)の同成長率は4.9%となった。
同局は、国民経済は持続的な回復を遂げ、生産・供給の増加、市場需要の拡大、雇用・物価の改善が進んでおり、質の高い発展が着実に進んでいると評価した。
各指標をみると、1~9月の工業生産増加額(付加価値ベース)は、前年同期比4.0%増と上半期(3.8%増)から伸び幅が0.2ポイント拡大した。9月単月では前年同月比4.5%増となった。同月の化学原料・製品製造業(13.4%増)、電気機械・器材製造業(11.5%増)、鉄金属加工業(9.9%増)、自動車製造業(9.0%増)が好調だった。
投資では、1~9月の固定資産投資は前年同期比3.1%増で、上半期(3.8%増)から伸び幅が0.7ポイント縮小した。このうち、インフラ投資は6.2%増で上半期の7.2%増から1.0ポイント縮小した。1~9月の製造業投資は6.2%増と、上半期(6.0%増)より0.2ポイント拡大した。民間投資は0.6%減で上半期(0.2%減)と比べ減少幅が拡大した。
1~9月の不動産開発投資は前年同期比9.1%減と上半期(7.9%減)より減少幅が拡大した。商業用不動産の販売面積と販売額はそれぞれ、7.5%減、4.6%減といずれも上半期の5.3%減、1.1%増を下回る伸び幅となっており、不動産市場の減速が続いている。
消費(社会消費品小売総額)は前年同期比6.8%増となり、上半期(8.2%増)から1.4ポイント低下した。他方、9月単月の前年同月比伸び率は5.5%と、8月(前年同月比4.6%増)から0.9ポイント改善した。1~9月の全国インターネット小売額は前年同期比11.6%増の10兆8,198億元(約216兆3,960億円、1元=約20円)だった。うち、実物商品ネット小売額は8.9%増の9兆435億元で、社会消費品小売総額の26.4%を占めた。1~9月の消費者物価上昇率は0.4%となった。
9月の都市部調査失業率は、前月比0.2ポイント低下の5.0%となり2カ月連続で改善した(1~9月は5.3%)。
同局の盛来運報道官は、10月18日の記者会見で「1~9月のGDP成長率は前年同期比5.2%で、通年の成長率目標『5%前後』の達成に向け、非常によい基礎を築いた。推計によると、第4四半期に4.4%以上の成長率を達成すれば、通年目標を達成できる」と述べ、2023年の政府目標である5%前後の経済成長の達成に自信を示した。
(趙薇)
(中国)
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