9月のコロンボのインフレ率、前年同月比1.3%、中銀はインフレ目標5%に向け利下げ

(スリランカ)

コロンボ発

2023年10月13日

スリランカ・センサス統計局(DCS)は9月27日、9月のコロンボの消費者物価指数(CCPI)上昇率(インフレ率)が前年同月比で1.3%になったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料図参照)。8月の4.0%からは2.7ポイントの低下となり、コロンボのインフレ率は2022年10月から12カ月連続の減少となった。食品部門はマイナス5.2%(前年同月比)に達し、3カ月連続のデフレだった。非食品部門のインフレ率は8月の8.7%から4.7%(前年同月比)に低下した。

こうしたインフレの減速を受け、中央銀行は10月5日、市中銀行による中銀への預金にかかる中銀預金金利を10.0%、中央銀行から市中銀行への貸し出しにかかる中銀貸出金利を11.0%に引き下げると発表した。

中銀はさらに、今後の経済成長につなげるため、中期的にはインフレ率を5%±2%の水準で維持するという目標について、政府と合意した。これは、2023年9月に制定された中央銀行法第26条に基づくもので、同法は政府と中銀に対し、インフレ率を所定の水準に維持するために協定を結ぶことを義務づけている。

スリランカでは2022年春以降、急激なインフレが本格化し、中銀は金利を引き上げた。物価上昇が鈍化した2023年6月には中銀預金金利を13.0%、中銀貸出金利を14.0%に、7月には預金金利を11.0%、貸出金利を12.0%に引き下げ、金融市場に対する圧力を緩和している。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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