河鋼集団とポスコのGA鋼板工場が稼働、NEV向けの需要拡大を狙う
(中国、韓国)
上海発
2023年10月25日
鉄鋼大手の河鋼集団(中国)と韓国同業のポスコは10月19日、自動車めっき鋼板の合弁工場を本格的に稼働すると公表した。折半での共同出資で、投資総額は41億2,500万元(約825億円、1元=約20円)となり、河北省唐山市に最先端の連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)を2つ有する。河鋼集団(中国)によると、投資額は近年の中国鉄鋼市場で最大規模だ。両社は2021年6月に中国で合弁会社を設立し、2022年1月からめっき鋼板工場の建設に着工していた。合弁会社は広東省にある既存の生産ラインも傘下におさめたため、めっき鋼板の年間年産能力は135万トンに達する見通しだ。
唐山工場で生産された合金化溶融亜鉛めっき鋼鈑(GA材)は、従来の溶融亜鉛めっき鋼鈑(GI材)より耐食性、溶接性、成型性などで優れており、特に日本や韓国の世界大手自動車メーカーから高い支持を得ている。しかし、GA材の生産難易度が高いため、中国国内では生産可能な鉄鋼企業がごく一部にとどまっている。
中国の自動車市場では、従来のガソリンエンジン車から新エネルギー車(NEV)への移行が加速している最中にあり、自動車の軽量化および自動車部品のグリーン化の必要性が高まっている。河鋼集団とポスコは、NEV向け極薄ゲージ鋼板(SK材)、高級自動車鋼板の製造に最適なGA材の生産に力を入れ、市場競争力を高めていく狙いだ。
(劉元森)
(中国、韓国)
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