ムハンマド皇太子、アブハー国際空港の拡張計画発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年10月18日

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相は10月12日、南部アシール州の新アブハー国際空港(New Abha International Airport)の拡張建設に向けた基本計画(マスタープラン)を発表した〔10月12日付サウジアラビア国営通信社(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

同空港では現在、サウジアラビア国内とアラブ首長国連邦(UAE)、エジプトに9路線を運航している。基本計画では、ターミナル面積を既存の1万500平方メートルから6万5,000平方メートルへ拡大し、旅客ボーディングブリッジ、旅行手続きを合理化するセルフサービス施設、大規模な駐車施設を建設する。年間発着便数は現在の3万便から9万便以上に増加し、年間利用者数は現在の150万人から1,300万人以上への増加を見込む。

同空港はアシール州の伝統的な建築デザインを取り入れ、サウジアラビアの有名なランドマークへとなることを目指しており、2028年までに第1段階が完了する予定だ。同空港の拡張建設は、サウジアラビアの国家改革「ビジョン2030」が目指す250都市への空路接続、3億3,000万人の旅客輸送の実現に資するものとして位置付けられる。

アシール州は、海岸や高原、山岳、丘陵、砂漠と多様な地形に恵まれた地域で、年間を通じてネーチャーツーリズム、文化体験が人気の観光地として、国内では名高い。2030年までに年間800万人の観光客誘致を目指している。

同州の標高3,000メートルを超える山岳地帯では、「ビジョン2030」開発プロジェクトの1つ、ソウダ開発(Soudah Development)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが進められている。同プロジェクトでは、敷地面積647平方キロに29億ドルを投資し、エコツーリズムなど同国では新しい分野の強化と発展を目指し、環境保全を優先しながら開発が進められている。同開発によって、年間を通じて冒険と文化観光が統合された多様な景観を生み出し、地元社会に大きな経済的利益をもたらすことが期待されている。

(黒島裕介)

(サウジアラビア)

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