8月の輸出入、主要国・地域向け輸出は軒並み減少
(香港)
香港発
2023年10月02日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処が9月26日に発表した貿易統計によると、8月の貿易額は、輸出が前年同月比3.7%減の3,582億9,420万香港ドル(約6兆8,076億円、1香港ドル=約19円)、輸入が0.3%減の3,838億8,620万香港ドルで、輸出入ともに減少した(添付資料表参照)。輸出は16カ月、輸入は14カ月連続のマイナスとなった(添付資料図参照)。貿易収支は255億9,200万香港ドルの赤字で、19カ月連続の赤字だった。
主要国・地域別に輸出の動向をみると、主要国・地域向けは軒並み減少した(添付資料表参照)。最大の輸出先である中国本土が前年同月比1.5%減と、前月(15.2%減)から減少幅が大幅に縮小した一方、米国(13.2%減)、EU(20.0%減)、台湾(20.8%減)、韓国(35.3%減)、日本(19.9%減)ではそれぞれ前月より減少幅が拡大した。ベトナム(11.3%増)、アラブ首長国連邦(5.8%増)、マカオ(31.0%増)は前月に引き続き増加した。輸入は、中国本土(4.3%増)と米国(5.4%増)がともに前月のマイナスからプラスに転じた一方で、マレーシア(35.6%減)、シンガポール(9.9%減)、ベトナム(14.8%減)、台湾(1.3%減)、日本(3.1%減)などがマイナスに寄与し、全体ではマイナスとなった。
香港政府報道官は輸出の状況について、「8月も引き続き弱い動きを示している。米国、EUはいずれも前年同月比で大幅に減少した。中国本土および他の主要なアジア地域についても、程度の差はあるものの減少した」と指摘した。今後の見通しについて「外需の低迷が短期的には香港の輸出に引き続き重しとなるだろう」との見方を示した。
(山口雅史)
(香港)
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