韓国系アクセサリーメーカー大連拠点、輸出を強化へ

(中国、韓国)

大連発

2023年10月19日

在中国・大連の韓国系アクセサリーメーカーの大連金都首飾制作は2003年に大連市保税区に進出し、合金アクセサリーの保税加工を手掛け、イヤリング、指輪などを若者でも購入しやすい価格帯で海外に販売している。社員数は50人の独資企業。香港から純金を調達し、加工した商品を米国および韓国を中心に(一部欧州にも)輸出しており、うち米国向けは約5割を占めるという。

ジェトロは、今後のビジネス展望などについて、同社の李昌奎董事長に話を聞いた(10月10日)。

(問)進出経緯と現在の経営状況は。

(答)大連に進出した当初は、現地の格安な人件費が大きなメリットだった。当社の製品制作には熟練労働者の加工技術が必要となるため、賃金上昇圧力はあるものの、社員の定着率を安定させるよう努めている。

米中貿易摩擦の影響により、対米輸出商品に課される米国側の関税が10%前後上乗せされた。輸出量は減少したが、幸い熟練工の有する技術により高い品質を維持できていることに加えて、短いリードタイム(注)で商品を供給できており、東南アジアなどの同業他社との競争では優位にあると考えている。

(問)新型コロナウイルス感染拡大以前との比較では。

(答)新型コロナ以前と比較すると、受注が落ち込んでいる。その対策として、海外輸出の販路拡大を図るため、香港における国際展示会・商談会に積極的に参加していく考えだ。

(問)今後の課題と展望は。

(答)受注の減少幅と同業界との競争(加工費のコストダウンなど)による圧力は、現在はそれほど大きくないが、将来的に高まる懸念がある。韓国本社サイドでの営業力の強化を含め、海外での販路拡大を図るため、各種工夫をすることが必要だ。これまでは保税加工貿易のみだったが、中国国内販売にも今後は積極的に取り組みたい。

(注)商品・サービスを発注してから納品されるまでの時間や日数を指す。

(李穎)

(中国、韓国)

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