三菱重工、光触媒を用いた水素技術スタートアップの米シジジー・プラズモニクスに出資
(米国)
ヒューストン発
2023年10月16日
三菱重工業は10月10日、米国三菱重工業(本社:ヒューストン)を通じ、光触媒技術を活用した水素製造・二酸化炭素(CO2)利用技術を開発する米国スタートアップ企業であるシジジー・プラズモニクス(本社:ヒューストン)に出資したと発表した。
シジジー・プラズモニクスは、ライス大学(本部:ヒューストン)で開発された、光触媒を利用して水素製造などのさまざまな化学反応を電化する革新的技術を商用化するべく設立された会社だ。化学工業プロセスにおいて用いられている従来型の熱燃焼反応器に代わり、光を利用した反応器を開発している。この反応器を再生可能エネルギーによって運転することで、アンモニアからのCO2フリー水素の製造や、CO2排出量の少ない水素をメタンから製造することなどが可能となり、化学工業プロセスのコストとCO2排出量の両方を削減できる可能性を有している。また、回収したCO2とメタンから合成ガスを製造し、持続可能燃料やメタノールに変換することも可能となる。
三菱重工業は今回の出資を通じ、シジジー・プラズモニクスの取り組みを支援し、エナジートランジション事業の強化につなげていくとしている。
三菱重工グループは、米国での脱炭素化の取り組みを積極的に進めている。直近では、2023年4月にテキサス州で天然ガスだきガスタービン・コンバインドサイクル発電設備の受注(2023年5月1日記事参照)、8月に低温水蒸気電解装置の開発を手掛ける米国アドヴァンスド・アイオニックスへの出資、9月に三菱重工グループが手掛ける世界最大の水素貯蔵プロジェクトのパートナーとしてシェブロンの参画を発表した。
(深石晃)
(米国)
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