三井物産、ポルトガルでエネルギー最大手ガルプと再生可能燃料の共同生産へ

(ポルトガル、日本)

マドリード発

2023年10月04日

三井物産は9月25日、ポルトガルのエネルギー最大手ガルプと、再生可能ディーゼル〔水素化植物油(HVO)〕と持続可能な航空燃料(SAF)の量産事業を共同で推進すると発表した。関係当局による許認可を取得次第、共同事業会社を設立する予定で、出資比率はガルプ75%、三井物産25%となる。

HVOは使用済み食用油などを原料として製造されるバイオ燃料で、バスやトラックなどの大型産業車両向けのディーゼル代替燃料として、SAFは航空機向けのジェット燃料の代替のバイオ燃料として導入が可能。ガルプ側の発表によると、同社のシネス製油所内に新設する製造プラントは年間27万トンの生産能力で、2025年末までに稼働を開始する予定という。

今回発表された事業は、ガルプが西部シネス港に保有する製油所の脱炭素化プロジェクト(総額6億5,000万ドル)の一角をなす。この脱炭素化プロジェクトは、同プラントに加え、グリーン水素製造プラントも含まれ、100メガワット(MW)の電解槽を設置する。

ガルプのポーラ・アモリム取締役会会長は「この種のプロジェクトとしては最大規模の投資で、これはポルトガルの産業部門の変革と成長に大きく貢献し、ガルプをエネルギー転換に不可欠な低炭素ソリューション開発の最前線に位置づけるものだ」と述べた。アモリム氏はまた「これらの投資決定は、ポルトガルの税制や規制の枠組み変更が大規模プロジェクトの成功を阻害することなく、国際的な状況に応じて当社の事業運営が長期的に競争力を維持できることを期待してなされたもの」と述べた。

(小野恵美)

(ポルトガル、日本)

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