国際郵便物(クーリエ便)に関する関税便宜を縮小

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年10月27日

インドネシア政府は10月16日、財務大臣規定2023年第111号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出し、翌10月17日から国際郵便物(クーリエ便)に関する税制便宜を縮小した。9月18日に発出された財務大臣規定2023年第96号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは60日後からの実施とされていたが、急きょ導入が前倒しになった。

改正前の規定(財務大臣規定第2019年199号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))では、国際郵便物(クーリエ便)を利用して貨物をインドネシアに持ち込む場合、次のように記載されていた。

(1)貨物の評価額が3ドルを超えない場合の関税は無税

(2)貨物の評価額が3ドルを超え、1,500ドルを超えない場合は関税率7.5%を適用

ただし、以下のa~dの品目についてはこの規定から除外し、通常の関税を徴収。

a. HSコード4901~4904項の書籍類

b. 4202項のかばん類

c. 61~63類の衣類および衣類付属品、紡織用繊維のその他の製品

d. 64類の履物類

今回の改正により、(2)のうち、規定から除外される品目として次のe~iが追加された。

e.3303~3307項の香水、化粧品、シャンプーなど

f. 73類の鉄鋼製品

g. HS コード8711.60.92、8711.60.93、8711.60.94、8711.60.95、8711.60.99の電動自転車など

h. HSコード8712項の普通自転車

i. 9101、9102項の腕時計

また、旧法令では除外品目に適用する税率を「通常の関税」と記載していたが、今回の改正で「MFN(最恵国)税率」と改めた(注)。

電子商取引も規制の対象

郵便事業が扱うクーリエ便に加え、年間の取引件数が1,000件を超える電子商取引(EC)事業者に対しても、税関とのパートナーシップの締結を義務付けた上で、財務大臣規定2023年第111号の税率を適用した。

今回の関税便宜縮小の背景として、ジャカルタで10月に実施されたインドネシア税関による説明会では、「消費財の輸入を削減する。クーリエ便などを利用した過少価格による貨物の持ち込みへの対応を図る」とされた。現地政府は、国産品優先政策が進めており、EC事業者に対して100ドル未満の輸入品の販売を制限する動きも見られている(2023年10月4日記事参照)。

(注)各品目のMFN税率は、インドネシア税関のウェブサイト(INSW外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認できる。

(中村一平)

(インドネシア)

ビジネス短信 6cdc39f7885f7341