サカタのタネ、ブラジル種苗会社を買収、家庭園芸や小規模農家向け市場に参入

(ブラジル)

調査部米州課

2023年10月30日

種苗大手のサカタのタネは10月24日、自社のホームページにおいて、ブラジルの子会社のサカタ・シード・スダメリカ(SDA)を通じ、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州ポルトアレグレに拠点を置く種苗会社イスラ・セメンチス(Isla Sementes LTDA. 以下Isla)を、6,350万レアル(約19億円、1レアル=約30円)で買収することを発表した。ブラジルで中~大規模農家向けに種子販売を行っているサカタのタネは、ブラジル国内の小規模農家向けに種子の生産・販売を行っているIslaを買収することにより、これまで手が届いていなかった現地の家庭園芸や小規模農家向け市場でのシェア拡大を目指す。

発表によると、Islaは、家庭園芸や小規模農家向けの商品ラインアップが充実しており、特に今後の拡大が期待されているマイクログリーン(注1)やオーガニック種子(注2)の分野に強みを持っている。今後、サカタのタネの販売網を活用して、Islaの競争力のある製品を他国で販売する可能性についても言及した。ただし、買収後もIslaのブランドは存続させるとしている。

また、ブラジル国内の家庭園芸および小規模農家向け市場が約30億円前後になるとし、ブラジルの人口と今後の経済成長に鑑みて同市場はさらに成長するとの見解が示されている。

(注1)栽培期間が2~4週間程度で収穫する若芽野菜。

(注2)農薬・化学肥料・遺伝子組み換え・採種後の種子消毒を使わないで生産する種子。

(小西健友)

(ブラジル)

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