西鉄、米テキサス州で賃貸アパート開発参画へ

(福岡、日本、米国)

福岡発

2023年10月23日

福岡県福岡市に本社を構える西日本鉄道(西鉄)は10月19日、住宅デベロッパーのアルパイン・スタート・ディベロップメントと事業運営会社(ASD Saginaw JV)を設立し、米国テキサス州サギナウ市で賃貸アパートの開発に参画すると発表した。

西鉄は、海外不動産事業の収益拡大を推進しており、2023年10月時点で、米国、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピンの5カ国で事業を展開している。米国では、テキサス州プレイノに2カ所、同州ヒューストンとイリノイ州シカゴに1カ所ずつ物件を有し、ワシントン州ボセルとカリフォルニア州モンロビアで出資済みの物件が2024年中に竣工(しゅんこう)する予定だ。他方、同社が米国内で現地住宅デベロッパーと2社のみで共同開発を行うのは、今回が初めてとなる。

西鉄は、テキサス州サギナウ市で賃貸アパートの開発に参画するに至った理由について、サギナウ市に近接するフォートワース市の人口が直近10年間で約3割増加しており、サギナウ市が米国で有数の住宅需要が見込まれるためとしている。2025年5月の竣工を目指す賃貸アパートは、フォートワース市の中心地から北に約16キロ、車で約25分の距離に位置し、敷地面積約4.4ヘクタールに261戸が新設される計画だ。

なお、米国商務省経済分析局(BEA)が公表する2022年の州別の実質経済成長率および個人所得増加率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、テキサス州は実質経済成長率(3.4%)で5番目、個人所得増加率(5.3%)で3番目に高い伸びを記録した。特に、専門・科学・技術サービス業の賃金の増加が、個人所得の伸びを牽引しているという。同州が力強い経済成長を遂げる中、不動産投資にも注目が集まっている。

(片岡一生)

(福岡、日本、米国)

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