マンベ首相率いる新内閣が発足

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年10月24日

コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は10月16日、アビジャン自治区のロベール・ブグレ・マンベ知事を首相に任命したことに続いて、翌17日に新内閣を承認した。これに先立つ10月6日、同大統領は、パトリック・アシ首相をはじめ政府の全閣僚を解任していた。

注目されていた首相のポストにマンベ首相が任命されたことは、前首相の再任の可能性も残されていた中、大方の予想を覆した。一方、南部出身で最大都市のアビジャン知事を10年以上にわたり務めた同首相の任命は、地域的パランスに配慮した人選ともみられている。北部地方を支持基盤とする与党「民主主義と平和のためのウフェ主義者連合(RHDP)」は、次期大統領選挙を見据えて、国内最大の票田であるアビジャン市で支持基盤を広げる狙いがあると大方はみている。

大統領府が発表した閣僚名簿によると、新内閣は33人(担当大臣を含む)の閣僚で構成される。スポーツ・生活環境相を兼務するマンベ首相を含めて新任は5人、女性閣僚6人、退任は6人となった。野党からの入閣はなく、主要閣僚の多くが留任したため、新内閣発足に伴う政策的な変更は限定的とみられる。

主な閣僚人事および省庁再編については、公務員・行政近代化省が国務レベルに格上げとなり、同省の大臣は前内閣でも公務員相を務めたアンヌ・デジレ・ウロト氏が留任した。経済省が経済・計画・開発省となり、予算省が財務省に統合されたほか、グッドガバナンス・汚職対策省と国民和解省が廃止された。外務・アフリカ統合・在外自国民省は、上院議長に選任されたカンディア・カミソコ・カマラ氏に代わって、カクウ・ウアジャ・レオン・アドム当該大臣付外務・アフリカ統合・在外自国民担当大臣が大臣に昇格した。また、デジタル移行・デジタル化省のほか、首相およびスポーツ・生活環境大臣付スポーツ・生活環境担当大臣のポストが新設された。

ワタラ大統領は9月の市議会・地域圏議会選挙の後、選挙区での結果のみならず、ポスト交代により政権のパフォーマンス改善を目指すと説明し、10月中旬に内閣改造を行う意向を固めていた。今回の組閣人事で、政策の継続性を重視するとともに、2025年10月に実施予定の大統領選挙を見据え、足場を固める狙いとみられる。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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