ドイツのニュルンベルクメッセ主催セミナー、ブラジルで水素を大量生産する条件を議論
(ブラジル)
サンパウロ発
2023年10月30日
ブラジルにおけるグリーン水素と低炭素水素(注)開発に関するセミナー「第2回ハイドロジェン・ダイアログ・ラテンアメリカ(Hydrogen Dialogue Latin America)」が10月18~19日の2日間、サンパウロ市内で開催された。本セミナーは、ドイツのニュルンベルクメッセ主催のイベント「Hydrogen Dialogue」のブラジル版として、在ブラジル・ドイツ商工会議所と物流系情報メディアのギア・マリチモとの共催で開催された。ドイツ商工会議所の10月19日付公式サイトによれば、参加者数は200人以上だった。
同イベントでは、2日間で計14のパネルディスカッションや講演会が実施され、ブラジルでの水素の大量生産を開始・拡大するための条件について議論が行われた。ブラジルでは、水力、風力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギー事業が進んでおり、水素製造に適した環境が整いつつあるものの、連邦政府あるいは国会による支援やルールづくりも必要とされることが強調された。また、水素の認証制度、生産事業のための資金調達、物流インフラの形成なども議論の対象となった。
次回の「Hydrogen Dialogue Latin America」は2024年10月23~24日にサンパウロ市で開催する予定となっている。
(注)グリーン水素とは、再生可能エネルギー由来の電力などを利用して、水を電気分解して生成される水素。製造過程で二酸化炭素を排出しない。低炭素水素とは、化石燃料を原料とすることもあるが、その場合生産過程で発生する二酸化炭素(CO2)の炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)が行われる水素。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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